ヘンドリックスジン キュウリと薔薇の風味に特徴
「ヘンドリックスジン(Hendrick's Gin)」はスコットランドの西部アイアーシャイアーのガーヴァンという村で、1バッチ(1回の仕込み)450リットルの少量生産で製造されているクラフトジンです。
特徴は11種類のボタニカルに薔薇の花びらとキュウリのエキス(抽出オイル)が加えられていること。
薔薇は最高級の香料とされるブルガリア産のダマスクスローズ。甘く優しい女性的な香りと酸味、苦味のバランスが良く、甘みもすっきりしています。
キュウリは食材はもちろん、香水や化粧品としても価値は高く、青みのある香りがいいアクセントになります。
![キュウリの画像](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/scdc847a1e0eae9fc/image/if3a7300e7fe9e380/version/1614127479/%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%82%A6%E3%83%AA%E3%81%AE%E7%94%BB%E5%83%8F.jpg)
おいしいカクテルの飲み方
そのままでも十分においしいヘンドリックスジンですが、カクテルでも飲み方を楽しめるように、ロンドンで流行したジントニックを紹介します。
作り方は通常のジントニックにひと工夫するだけです。グラスにヘンドリックスジンを注いで氷を入れたらライムを軽く搾り、トニックウォーターを注ぎます。
そこへ縦切りにしたキュウリを投入。あらかじめ、キュウリに包丁で切り込みを入れておくとエキスが滲み出てみずみずしくなります。
ちなみに、これはキューカンバーというカクテルに似たレシピ。キューカンバーはウォッカにライムジュース、砂糖を入れてステアしたら、薄くスライスした1/2本分のキュウリを入れてトニックウォーターで割ったものです。
ベースをウォッカからヘンドリックスジンに変えて試してみてください。トニックウォーターはフィーバーツリーあたりが上品でよく合います。
ナチュラルですっきりした味がお好みなら、炭酸割りがおすすめです。
![香草を持つ女性の画像](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/scdc847a1e0eae9fc/image/i8379bc8ab398530b/version/1614127518/%E9%A6%99%E8%8D%89%E3%82%92%E6%8C%81%E3%81%A4%E5%A5%B3%E6%80%A7%E3%81%AE%E7%94%BB%E5%83%8F.jpg)
価格とレビューの評価
ヘンドリックスジンはアルコール度数44度のものが50ml・700ml・1000mlと3種類。700mlでは41.4度のボトルもあります。
相場価格にはばらつきがあり、最安値価格(税込)だけを比べてみると以下の通り。1000mlがお買い得のようですね。
一般的な評価は「うまいけど高い」というように、一般的なジンと比べての価格面でのマイナス評価がわずかにあるものの、風味に関しては文句なしという感想がほとんど。
ヘンドリックスジン |
通販販売店の 最安値価格(税込) |
44度・50ml |
600円ほど |
44度・700ml |
3,200円ほど |
41.4度・700ml |
3,700円ほど |
44度・1000ml |
4,200円ほど |
「オレンジを思わせる柑橘系の香り。二口目からがすごく甘い」「ボンベイやタンカレーは自分に合わなかったが、これは香りが素晴らしくてロックでもおいしく飲める」「華やかでスーッと抜ける爽快さ、でも深みのある風味が絶妙」など、とくに香りを評価するレビューが見られます。
![スコットランドの画像](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/scdc847a1e0eae9fc/image/ie6d2ff64008c3d36/version/1614127540/%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%81%AE%E7%94%BB%E5%83%8F.jpg)
スペイサイドを代表するウイスキーメーカーが製造
製造するのはスペイサイドにグレンフィディック蒸留所、バルヴェニー蒸留所、キニンヴィ蒸留所を所有、ローランド地方にはアイルサ・ベイ蒸留所を所有するウイリアム・グラント&サンズ社。
シングルモルトウイスキーの「グレンフィディック」や「バルヴェニー」、ブレンデッドウイスキーの「グランツ」、ブレンデッドモルトの「モンキー・ショルダー」など人気銘柄を多く生産しています。
ジンのベースとなるのはオランダから仕入れたという96.4%のニュートラルスピリッツ。中性スピリッツとも呼ばれるもので、醸造酒の蒸留をくりかえしてエタノールを95%以上に濃縮しています。
中性スピリッツの特徴は味と香りに個性がなく、原料本来の風味が失われていること。後から香味を加えて造るジンで、ベーススピリッツの特徴が風味に影響を与えないようにするためなんですね。
![スコットランドの画像2](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/scdc847a1e0eae9fc/image/i323de1840f660fa3/version/1614127600/%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%81%AE%E7%94%BB%E5%83%8F%EF%BC%92.jpg)
2つの蒸留器で蒸留した原酒をブレンド
これに11種類のボタニカル(ジュニッパー、メドウスウィート、キャラウェーシード、アンジェリカルーツ、カモミール、エルダーフラワー、オレンジピール、コリアンダー、レモンピール、オリスルーツ、キュベブベリーズ)と、薔薇の花びらのエキスにキュウリのエキスが加えられています。
蒸留にはタイプの異なる2つの単式蒸留器が使われます。ひとつは、世界で最も古い蒸留機の一つで1860年にロンドンで製造された銅製のベネットスティル。
ボタニカルを浸漬法で抽出して、力強く芳醇なスピリッツの特徴を生み出すために使われます。
そして、もうひとつが1948年製というカーターヘッドスティル。「ボンベイサファイア」でも有名な蒸留器です。こちらはボタニカルをバスケット法で抽出します。
その後、両者をブレンドさせたうえでキュウリのエッセンスと薔薇の花びらから抽出したオイルが加わるという工程となっています。