グレンフィディック12年 スペシャルリザーブとの違い
「グレンフィディック12年(Glenfiddich 12Years Old)」はスコットランドのスペイサイド地域、ダフタウンにあるグレンフィディック蒸留所(ウィリアム・グラント&サンズ社)が造っているシングルモルトウイスキーです。
販売されている銘柄にはグレンフィディック12年と12年スペシャルリザーブがあります。ちょっとわかりづらいですが、違いはサントリーが正規代理店で輸入販売しているかどうかだけで、別銘柄ではないんですね。
ちなみに、もともとは「スペシャルオールド・リザーブ」だったのがオールドの単語を取り、「スペシャルリザーブ」に表記が変わった経緯があるようです。
![グレンフィディック蒸留所の画像](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/scdc847a1e0eae9fc/image/i1487fbbbfb237d28/version/1601183134/%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E8%92%B8%E7%95%99%E6%89%80%E3%81%AE%E7%94%BB%E5%83%8F.jpg)
グレンフィディック12年の特徴
世界で売れているシングルモルトウイスキーとして名高いグレンフィディック。同蒸留所では細やかな管理体制を積み上げながら、スコットランド最大の年間1000万リットルという生産体制をとっています。
原料には自家栽培した大麦を一部使用して、自社でフロアーモルティング。大麦の乾燥には12時間だけピートを焚いて、その後は無煙炭を焚くのでピートの燻香はわずかに抑えられています。
仕込み水や加水に使われるのはロビーデューの湧き水で、発酵段階では10トンのマッシュタン(糖化槽)2基が24時間フル稼働。
大麦麦芽が糖化したら、深さ約5mの木製ウォッシュバック(発酵樽)24基に入れて80時間寝かせて発酵させます。
その後、ボール型、ストレート型、ランタンヘッド型の小型銅製ポットスチル28基によって蒸留されます。
施設内には瓶詰め設備やクーパレッジ(樽や発酵槽などを製造・修理する作業所)があり、専任の樽職人もいて、徹底管理されているんですね。
原酒の熟成はアメリカンオークのバーボン樽、ヨーロピアンオークのオロロソ・シェリー樽の2種類。その結果、洋梨のフルーティな香りとハチミツの甘みという個性が生まれます。
![グレンフィディック蒸留所の画像](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/scdc847a1e0eae9fc/image/i2440234bc2fd47cf/version/1601183148/%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E8%92%B8%E7%95%99%E6%89%80%E3%81%AE%E7%94%BB%E5%83%8F.jpg)
人気のハイボールグラスセットやミニボトルとの価格比較
グレンフィディック12年はアルコール度数40度で700mlと350mlミニボトルがあります。
下の表はあくまでも記事アップ日の価格ですが、最安値価格(税込)ではミニボトルがちょっと割高ですね。
「グレンフィディック」とはスコットランド・ゲール語で「鹿の谷」の意味。ボトルにもある牡鹿のシンボルがついたスタイリッシュなオリジナルハイボールグラスも人気で、セットも販売されています。
グレンフィディック12年・40度 |
通販販売店の最安値価格(税込) |
350mlミニボトル |
2,000円ほど |
700ml |
2,600円ほど |
700mlとグラスセット | 3,500円ほど |
![泥炭湿原の画像](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/scdc847a1e0eae9fc/image/ibbae8ba281ce4a98/version/1601183164/%E6%B3%A5%E7%82%AD%E6%B9%BF%E5%8E%9F%E3%81%AE%E7%94%BB%E5%83%8F.jpg)
グレンフィディック12年の風味評価
グレンフィディック12年の風味評価を集めてみました。まずはマイナス評価。「なんか個性がないようなウイスキー」「物足りなさを感じる」といった、スペイサイドモルトにありがちな反応が少数あります。
フルーティーな香りや甘みは個性的ですが、強い主張を求める方やバーボン好きの方の好みには合いにくいですね。「筒の上下についている金属蓋の分別に困る」といったマイナスポイントもあります(笑)。細かいところも意外に大切です。
支持する方々の評価は「スッキリした味で飲みやすく、ライトな感じが美味しい」「辛口の日本酒が好きな自分にはぴったりの味」「ハチミツ、洋ナシ、黒糖のような甘い香りを感じさせながらライトな甘さ」「値段も手頃でコスパが高い」などのレビューが見られます。
私も初めて飲んだときには「味が薄い?これがウイスキー?」と肩透かしを食ったような感覚を覚えました。でも、コレはコレという価値観が脳に入ってからは、繊細な風味ととらえて楽しんでいます。
![洋梨の画像](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/scdc847a1e0eae9fc/image/iefc3e23c15dbe31b/version/1601183173/%E6%B4%8B%E6%A2%A8%E3%81%AE%E7%94%BB%E5%83%8F.jpg)
おつまみはドライフルーツや軽めのチーズなどを
飲み口が軽く感じるのでグイグイ飲んでしまいがちですが、アルコール度数40度のウイスキーですから油断は禁物です。私は飲みすぎないように、あえてロックで飲まないようにしています。
おつまみはスモーキーさや塩気の少ないもの、甘いものが合います。ドライフルーツを選ぶ方が多いですが、私のいちばんのおすすめは醤油をかけない厚揚げ焼き。
塩気少なめの干物、味の濃くないチーズなども合います。甘いものではチョコレート、アイス、飴をなめながら飲むという方も。風味が似ているグレンリヴェットと飲み比べをしてみるのも楽しいです。
ウィリアム・グラント&サンズ社とは
ウィリアム・グラント&サンズ社はブレンデッドの「グランツファミリーリザーブ」をはじめ、「バルヴェニー」「キニンヴィ」「モンキーショルダー」「タラモアデュー(アイリッシュウイスキー)」といった銘柄を所有する、家族経営の独立系企業。
ウィリアム・グラント&サンズ社のあるダフタウンは人口1,500人ほどの小さな町ですが、同社のビジターセンターにはなんと年間7万人以上の観光客が訪れるとか。観光客のほうが多い町なんですね。
ダフタウンは12世紀にコミンズ家の居城として建造されて以来、スコットランドの多くの動乱に関わったバルヴェニー城がありますが、ウィスキー蒸溜所のある町として有名です。
今回紹介するグレンフィディックのほかにも、「グレングラント」「グレンファークラス」「グレンリベット」など、日本でも名高いスコッチウィスキーの蒸留所が軒を連ねています。