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ハイランドパーク12年ヴァイキング・オナー フローラルなピート香

「ハイランドパーク12年ヴァイキング・オナー(Highland Park 12 Years Old Viking Honour)」はスコットランド・オークニー諸島メインランド島カークウォールにあるハイランドパーク蒸留所が造っているシングルモルトウイスキーです。

 

ザ・ハイランド・ディスティラリーズ社による同蒸留所は1798年創業の老舗。2018年現在、世界のウイスキー蒸留所のなかでも最北に位置することで知られています。

 

かたくなに伝統を守り、通好みでグレードの高いモルトを造ることから「北の巨人」と呼ばれるハイランドパーク蒸留所。

 

kirkwall メインランド島カークウォール
kirkwall メインランド島カークウォール

 

種類は「18年」「25年」「40年」「ダーク・オリジンズ」のほか、限定商品として「ヴァルキリー」「ザ・ダーク17年」「アイス・エディション」「ファイア・エディション」「ヴァルハラ・シリーズ(ソー・ロキ・フレイヤ・オーディン)」「50年」と豊富です。

 

「ハイランドパーク12年」が2017年9月で終売(出荷終了)となり、アルコール度数、容量、価格、中身ともに変更のないまま、名称とボトルデザインがリニューアルしたのが今回紹介する「ハイランドパーク12年ヴァイキング・オナー」。

 

同蒸留所が造るシングルモルトの特徴には、立地するオークニー諸島の風土や文化が大きく反映されていますが、そのイメージを前面に出したデザインです。

オークニー諸島は中世には長らくノルウェーの領地だった場所。そのため、スコットランドでもヴァイキング文化の影響が色濃く残ります。

 

新石器時代の墓石、巨石群、鉄器時代の円塔、大聖堂、廃墟と化した宮殿など、悠久の歴史が眠る土地。ここでヴァイキングは献身、技術、栄誉、高潔、地域、誇りを伝統としてきました。

 

時速40マイル(64.37キロ)以上の強風が吹く日は年に80日以上。野外で仕事する人が多く、厳しい気候にも慣れるうちにタフな気質がつくられていくのだとか。

 

Viking ヴァイキング
Viking ヴァイキング

 

蒸留所の建つ場所は「闇のヒーロー」として語り継がれる、禁酒法時代の密造業者マグナス・ユウソンの密造所があった場所と言われます。

 

ちなみに「ダーク・オリジンズ」はその活躍にインスパイアされて作られたウイスキー。今回の「ヴァイキング・オナー」はヴァイキング文化、スピリットへの敬意がボトルに表わされています。

 

そんなハイランドパーク蒸溜所のこだわりのひとつがアイラ島以外では珍しく、ピートを炊き込んでいること。蒸溜所から約10km離れたホビスタームーアで手掘りされるピートはアイラとは異なる種類です。

 

Stromness メインランド島ストロムネスの海岸
Stromness メインランド島ストロムネスの海岸

 

寒冷地で強風が吹き荒れる土地柄のため、高い木が育たず、低木のヘザーなどが主に堆積してできたもの。このピートを自前のモルティングを施す過程で炊き込み、アイラモルトとは異なったフローラルなスモーキーさを出しています。

 

ただし、それは使用される大麦の20%だけ。残り80%の大麦はノンピートでブリテン島本土から輸送されてきます。ピート香がかなり調整されているわけですね。

 

さらに、夏でも15度、冬でも零下にはならない涼しい環境での低温熟成、スパニッシュオークとアメリカンオークのシェリーカスク(樽)の使用。

 

Viking ヴァイキングの船
Viking ヴァイキングの船

 

また、「カスクハーモナイゼーション」と呼ばれる、個々の原酒を合わせたのち、再び樽に戻しておこなう一定の調和期間により、スモーキー&ハニーと賞賛される品質が生まれます。

 

ウイスキー評論家、マイケル・ジャクソン氏は「全モルトの中で最もオールラウンダーで秀逸な食後酒」と評して100点中90点の高評価。ちなみに、これは旧ボトル時代の評価。

 

通の方によれば、現在よりも濃厚さが勝っていた頃だとか。とはいえ、今でも一般的な評価は「まろやかな甘味、柔らかいピート香、アルコール刺激がない」というレビューが多いですね。

 

飲み方は刺激が強いと感じる方なら開栓後、時間をかけて飲むうちに柔らかい印象になってきます。温度によっても微妙に味が変わるので、春先あたりの気温でストレートを試してはいかがでしょう。