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ノッカンドゥ12年 飲み方で風味の違いが楽しめる希少シングルモルト

ノッカンドゥ12年 終売?まだ入手できる希少シングルモルト

「ノッカンドゥ12年(Knockando 12 Years Old)」はスコットランドスペイサイドのスペイ川中流にある同名の村にあるノッカンドゥ蒸留所が造っているシングルモルトウイスキーです。

 

オーナーはディアジオ社傘下のJusterini&Brooks社で、ノッカンドゥは同社の「J&B」のほか、「スペイロイヤル」「キングジョージ4世」といったブレンデッドウイスキーのキーモルトに多く使われています。

 

そのため、蒸留所の設立は1898年ですが、シングルモルトの初リリースは1979年とかなり遅く、いまでもシングルモルトのリリースが少ないんですね。

 

販売店によっては終売との情報もありますが、今日現在、まだ流通しているようです。

 

ノッカンドゥはフランスやスペインで人気が高く、日本での一般的な知名度はありませんが、ウイスキー愛好家からは高く評価される銘柄です。

 

ノッカンドゥ蒸留所の画像
ノッカンドゥ蒸留所
photo credit: martyn jenkins 2016-04-30 053 Knockando Distillery via photopin (license)

ノッカンドゥの意味と蒸留所の特徴

ノッカンドゥとはゲール語で「小さな黒い丘」の意味。

 

その名の通り、蒸留所はスペイ川を見下ろす丘の上に建っています。ちなみに、近くにはタムデュー蒸溜所やカーデュ蒸溜所があります。

 

仕込み水に使われるのは、良質の軟水であるカードナックの泉。原料となる大麦の製麦にピートの香りが付きすぎないように使用量は注意深く管理されます。

 

ポットスチルは三角形のランタンヘッド型の初留釜が2基、真ん中がボール形状をしたバルジ型の再留釜が2基の計4基。冒頭の画像手前がランタンヘッド型、奥がバルジ型です。

シェリー樽少なめ、ヴィンテージウイスキーの風味

一般的なシングルモルトウイスキーではさまざまな熟成年数のモルトをヴァッティングします。

 

樽の回転率をよくするために、若くて未熟な樽を古酒と混ぜてバランスをとるわけですね。

 

これにたいして、ヴィンテージウイスキーと呼ばれるものがあります。

 

ワインの場合の「ヴィンテージ」とはブドウの収穫年を意味しますが、ウイスキーでは蒸留された年号を表す場合や古くて優れていると言う意味で使われます。

 

ノッカンドゥ蒸留所では伝統的にこのヴィンテージスタイルを貫いています。毎年1年間の生産分をシーズンと呼んでいて、ボトルに詰められるのは単一シーズンのスピリッツのみ。

 

樽の使用にもこだわりがあり、バーボン樽約90%、シェリー樽約10%という比率にしています。

 

シングルモルトの味をなるべく活かす目的で、シェリーカスクの割合を控えめにしているんですね。

 

バーボン樽の風味が強めに反映されるため、スペイサイドモルトにしては男性的ですが、ピート香は軽く味わいも繊細なのが特徴で、ウイスキー初心者の方でも比較的飲みやすい銘柄です。

女性の画像

価格とレビューの評価

ノッカンドゥ12年はアルコール度数43度・700mlで、最安値(税込)は記事アップ日の価格で3,000円ほど。12年物のシングルモルトではお買い得ですね。

 

旧ボトルでも1.5倍から2倍くらいの価格で入手できます。

 

一般的な評価からまずはマイナスを指摘する感想。「3,000円程度のスコッチを適当に3本買って飲み比べ。これはまあまあ飲めました」というレビューがありますが、ハズレだったというニュアンスのレビューはないようです。

 

支持するレビューでは「癖のない中庸な飲み心地で上品」「麦の甘さと良い香り。コスパ高いと思います」「あまり飲めるほうではないのですが、この香りには逆らえず、氷だけをいれて楽しんでいます」「リンゴのような甘みが感じられ、あとからモルトの香りが漂ってきます」などの評価が見られます。

飲み方を変えると風味の違いが楽しめる

ノッカンドゥ12年の評価の特徴としては「飲み方でずいぶん印象が変わる」という感想を何人かの方が書いている点。

 

ストレートからロックではドライ感があり、ストレートから加水では甘さが引き立つなど、個人差はあると思いますが風味の変化を楽しむ方もいます。

 

興味のある方はいろんな飲み方で試してみてくださいね。