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グレンキンチー12年 ローランドの老舗蒸留所、あの銘酒のキーモルト

グレンキンチー12年 老舗蒸留所のエジンバラ・モルト

「グレンキンチー12年(Glenkinchie 12 Years Old)」はスコットランドの首都、エジンバラから20マイル(約32km)にあるグレンキンチー蒸溜所が造っているシングルモルトウイスキーです。

 

ローランド地方に現存する数少ない蒸留所のひとつで、設立は1837年。ローランドの蒸留所は20世紀末にはオーヘントッシャンとこのグレンキンチーのわずか2か所になりました。

 

ちなみに、近年のブラドノック蒸留所復活を皮切りに新蒸留所が次々と建造されていて、ローランドにも復活の兆しは現れています。

 

グレンキンチー蒸溜所はエジンバラでは唯一残っている蒸留所ということもあり、別名「エジンバラ・モルト」とも言われます。

 

グレンキンチー蒸溜所
グレンキンチー蒸溜所

グレンキンチーの意味と由来

大麦畑に囲まれたのどかな風景の中にあり、ほとりにはキンチー川が流れます。「グレンキンチー(Glenkinchie)」とはこの川に由来していて、「キンチー川が流れる谷」という意味。

 

キンチー川のKinchieの語源は、かつてこの地を所有したド・クインシー家(de Quincey)の家名からきていると言われます。

 

ローランド地方はもともと農業の中心地。蒸留所のまわりにも大麦や小麦、じゃがいも畑などが並んでいて、グレンキンチー蒸溜所も農家の副業として設立されたものでした。

 

麦芽の搾りかすや蒸留廃液は家畜の飼料に利用され、グレンキンチーで飼育されたアンガス牛は肉質のよさで評判だったとか。

現在はMHDモエヘネシーディアジオ社が所有

スコットランドの詩人、ロバート・バーンズはこの地を評して「私が見た中で、最もすばらしくみごとな麦の地(corn country)」と呼んでいます。

 

イギリスでcornはトウモロコシだけでなく、麦を表す場合もあります。おそらく、この地の大麦を示しているのでしょう。

 

蒸溜所は1853年に閉鎖されますが、その後、オーナーが変わり、操業を再開。何度かオーナーが変わり、現在はMHDモエヘネシーディアジオ社が所有しています。

ジョニーウォーカー、ヘイグ、ディンプルなどのキーモルト

グレンキンチー蒸留所では年間250万リットルものウイスキーを生産していますが、シングルモルトとしてボトリングされるのはそのわずか10%ほどだとか。シングルモルトウイスキーの販売もごく最近の1988年に始まったばかり。

 

原酒のほとんどはジョニーウォーカー、ヘイグ、ディンプルなどのブレンデッドウイスキーのキーモルトとして使われています。

 

とくにディンプルではグレンキンチーが中核をなすメインのキーモルトとしてブレンドされます。

 

特徴は硬水・発酵槽・大きいスチルによる個性

製造工程の特徴はウイスキーの仕込み水に硬水を使っていること。スコットランドでは通常、軟水を使うのが特徴です。

 

水源になるのはラマルミュアーの丘にある泉。以前はキンチー川の水をそのまま利用していましたが、農業汚染が心配されるために近年はラマルミュアーの泉に切り替えたとか。

 

さらに、昔ながらのオレゴンパイン(オレゴン松)製のウォッシュバック(発酵槽)を使っていること。

 

オレゴンパインの発酵槽は、蒸留所内に住んでいる乳酸菌などの微生物が繁殖しやすい効果があります。それらの働きによる乳酸発酵により、独特のフルーティーな香りと味わいが生まれます。

 

Edinburgh エジンバラ
Edinburgh エジンバラ

 

スチルはランタンヘッド型の初溜釜1基21,000リットル、再溜釜1基17,000リットルというクラシックなスタイル。

 

 

どちらもバルヴェニーやグレンファークラスと並んで、スコットランドで最も大きいスチルの仲間に入ります。

 

テイスティングレビューと価格

グレンキンチー12年はアルコール度数43度・700mlで、相場価格は3,300円(税込)前後。

 

一般的な評価は「爽やかな香りもあるが、思った以上に刺激を感じる」「フルーティーでドライでガツンと来る刺激」「癖が少なく飲みやすく、それでいてコクがある」「呑みやすく優しい舌触り」など、感覚に個人差が現れていますが、テイスティングレビューは高めの評価。

 

グレンフィデック、グレンモーレンジあたりが好きな方はいいようですね。いっぽうで、突出した特徴がないためにクセのあるウイスキーが好きな方にはインパクトがないかもしれません。

 

ウイスキーを飲み慣れている中高年層の支持が高いようですね。