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グレンドロナック12年 終売の噂と蒸留所事情、オールシェリーの評価

グレンドロナック12年 終売が噂される蒸留所の事情とは

「グレンドロナック12年オリジナル(GlenDronach Aged 12 Years)」はスコットランドのハイランド地域の東部アバディーン州にあるグレンドロナック蒸溜所が造っているシングルモルトウイスキーです。

 

2008年以降にリリースしたシェリーカスクが人気となり、「マッカラン」「グレンファークラス」と並んでシェリー樽熟成のスコッチとして世界的に知られるようになりました。

 

しかし、愛飲家からは12年、さらに18年アラダイスが終売になるのではないかと心配の声も。それにはそれにはこんな蒸留所の事情があるんですね。

 

1.蒸溜所が閉鎖されていた期間(1996年から2002年5月)の原酒がない

2.同じ系列の銘柄「ベンリアック12年」が終売になっている

3.ブラウンフォーマン社(後述)の買収でブレンデッド用が増えて、シングルカスクでの出荷が減るのでは?という予測もされている

 

アバディーン州ダノター城の画像
Dunnottar アバディーン州のダノター城

オーナー変更をくりかえした蒸留所の歴史

1826年にジェームス・アラダイス氏によって建てられた同蒸留所は、火災による焼失、破産、所有者の変更などをくりかえしてきました。

 

2008年にはベンリアック・ディスティラリー社、2016年にはベンリアック社ごとブラウンフォーマン社に買収されます。

 

ブラウンフォーマン社はジャックダニエルの製造・販売で知られる会社で、5大ウイスキーのうちジャパニーズ以外の4大ウイスキーの蒸溜所を所有している巨大企業です。

 

終売の噂は根拠のないことではないので、ストックしておいたほうがいいかもしれませんね。

キーモルト銘柄や12年オリジナルの特徴

もともとグレンドロナック銘柄は「ティーチャーズ」「バランタイン」などのブレンデッドのキーモルトとしての提供がメインでしたが、2008年にベンリアック社が所有してからは方針を変更。

 

シングルモルトのリリースにも力を入れるようになり、これまで「グレンドロナック8年ヒーラン(終売)」のようにバーボン樽とシェリー樽による熟成もありましたが、原酒は100%シェリー樽熟成となりました。

 

12年は辛口オロロソシェリー樽と極甘口ペドロヒメネスシェリー樽(どちらもヨーロピアンオーク)による熟成原酒をヴァッティング。

 

蜂蜜やナッツのような香りとチョコのような香ばしさがありながら、辛口オロロソシェリー樽のためか、マッカランよりもちょっと辛口に感じます。

 

シェリー樽の画像
シェリー樽

価格とレビューの評価

グレンドロナック12年オリジナルはアルコール度数43度・700ml。

 

日本での販売権を持つアサヒビールが発表している、定価の目安となる参考小売価格(税別)は5,770円。

グレンドロナック12年

オリジナル

参考小売価格(消費税別)

記事アップ日の

最安値価格(税込)

43度・700ml 5,770円 4,300円ほど

日本ではまだ広く知られていない銘柄だけに、通販販売店の最安値(税込)は記事アップ日の価格ですが4,300円ほどとお買い得です。シェリー樽を贅沢に使っていてこの価格は貴重ですね。

 

一般的な評価では、マッカランなどそれなりの銘柄を飲んできた方が行き着いて、比較した感想が多く見られます。まずはマイナスポイント。「マッカランに比較すると、ややアルコールが刺さる」「味の緻密さではバルヴェニー12年に、味の鮮やかさではクライヌリッシュ14年にちょっと負ける」「ベンリアック12年と飲み比べると、こちらの方がちょっとクセがある」などがあります。

 

支持するレビューには「以前のマッカラン12年ダブルカスクが好きならコレ」「シェリーカスクのシングルモルトとしてはかなりコスパが良い」「口から鼻に抜ける香がたまらない」「期待通りの華やかなフルーツフレバー」などの高評価が見られます。