ベンジャミン・ブラントン設立のバッファロートレース蒸留所
「バッファロートレース(Buffalo Trace)」はアメリカ合衆国・ケンタッキー州フランクリン郡フランクフォードにある、バッファロートレース蒸留所が造っているバーボンウイスキーです。
1857年にベンジャミン・ブラントンによって設立されたアメリカ最古、最大規模の蒸留所。
これまでに何度か経営者が変わりながらも、少量生産のプレミアムバーボンを数多く生産、ウォッカも製造しています。

うまいバーボン・バッファロートレースウイスキーの特徴
「バッファロートレース」はアルコール度数がやや高めの45度。
コーン80%、ライ10%、大麦麦芽10%のレシピで作られた原酒の中から、8年以上熟成させた35から45樽のみを厳選してヴァッティングされています。
バーボンにしては複雑な味わいが特徴で、バーボン独特のクセを求める人のなかにはちょっと物足りなさも感じる人も。
とはいえ、「クセがなくてもうまい」という高評価は多くみられます。
バッファロートレースの価格とレビューの評価
バッファロートレースはアルコール度数40度・700mlで、今日現在の販売店での安い価格帯は2,200円ほど。
数年前に一度紹介しましたが、価格の推移としては数百円値が下がって購入しやすくなっているようです。
一般的な評価から、まずはマイナス評価を指摘する感想をあげてみます。
「ストレートだと少し飲みづらい」
「ターキー8年と比べると特徴に欠ける」
「個人的にはもう少し辛めのほうがいい。女性には好まれるだろう」

支持するレビューは以下の通りです。
「スコッチに比べると癖の強めなバーボンだが、その中でも丁寧で上品な味わい。ボトルのデザイン性の高さもいい」
「甘めだが全体的にバランス良く、中庸をわきまえている感じ」
「4,000円以下のコストでこの味わいは感動」
「若い酒にありがちなピリピリした抵抗がなく飲みやすい」
「ラベルのバッファローのイメージからはほど遠い、やさしい味のアンバランスさが好き」
この銘柄に関しては、飲み方のおすすめが分かれるのもおもしろいところ。
強いクセがないぶん、自分なりの飲み方としてストレート・ロック・ハイボールというように好みが変わってくるのでしょう。
正規輸入元は明治屋からレミー、そして国分グループ本社に
バッファロートレースの日本での正規輸入元は長らく明治屋でしたが、2017年9月より輸入元がレミーコアントロージャパンに変更、その後、2019年11月より国分グループ本社に変わっています。
バッファロートレース蒸留所の歴史
同蒸留所はフォアローゼズ、アーリータイムズ、フィッツジェラルド(スティッツェル・ウェラー社)と並んで、禁酒法時代(1920-1933)は医薬目的の名目で蒸留を許可された4ヶ所の蒸留所のうちのひとつです。
先に述べたように、バッファロートレース蒸留所はこれまでに何度か経営者が変わっていて、経営者名のついた「ジョージ・T・スタッグ蒸留所」時代もありました。
このとき造られた「ジョージ・T・スタッグ」は、現在でも年間数百本程度しか出荷されないプレミアムブランドのバーボンとして人気ですね。
1999年6月には「エンシャントエイジ蒸留所」から「バッファロートレース蒸留所」に改名されています。
バッファロートレースの意味と由来
「バッファロートレース」とはその名の通り、「バッファローの通り道(トレース)」の意味。
蒸留所の地であるケンタッキー州リーズタウンが、かつて野生のバッファローの通り道であったことに由来します。
アメリカ大陸発見以前から、野生のバッファローは季節ごとに移動を繰り返してきました。
アメリカバイソンとも呼ばれる彼らは、アメリカ中西部やカナダ西部などに分布する野牛です。
聴覚と嗅覚に優れていて、重たい体に似合わず、時速62kmほどの速さで駆け、1.8mほどの高さを跳べると言われています。
西部開拓時代には彼らの跡を辿り、多くの開拓者や冒険家たちが西を目指しました。
蒸留所がそんな西部開拓時代を象徴するラインに建っていることや、冒険家たちの屈強な精神に敬意を示してこの名称が付けられたのだとか。
ちなみに、アメリカバイソンはかつての乱獲で激減。
現在、国際自然保護連合(IUCN)の保存状況評価では、準絶滅危惧種(NT)としてレッドリストに指定されています。