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バランタイン12年ブルー・ハイボールにキーモルトをフロートの飲み方も

バランタイン12年ブルー・ハイボールにキーモルトをフロートの飲み方も

「バランタイン12年ブルーラベル(Ballantine 12 Year Old)」はペルノ・リカール傘下のジョージ・バランタイン&サンで製造されているブレンデッド・ウイスキーで、日本ではサントリーが輸入、販売しています。

 

バランタインが使用する原酒の数はハイランドローランドスペイサイドアイラの4地方から選ばれたモルトとグレーンが、数十種類ともいわれています。

 

なかでも中心となるのは「グレンバーギー」「スキャパ」「ミルトンダフ」「グレントファーズ」の4種類のキーモルトです。

 

ちなみに、この3つの蒸溜所から2020年9月1日より4種類のシングルモルト「グレンバーギー18年」「グレンバーギー15年」「ミルトンダフ15年」「グレントファーズ15年」が日本国内で限定発売されています。

 

ハイランドの画像
Highland ハイランド

バランタイン12年のテイスティングレビュー

バランタイン12年を開栓するとき、栓を包んでいるブルーラベルのアルミカバーがはがしにくいんですよね。

 

アルミがけっこう厚手なので、剥がし始めの最初のつまみを起こすときに、爪でひっかけようとすると爪の中に刺さって痛かったり、乱暴に勢いよくはがすと手を切る可能性もあるので、ちょっと注意が必要です。

 

ちょっと苦労して開栓すると、深みのあるレーズンバターのような香り。ストレートで飲んでみると、辛味を甘味が包み込んでいて、刺激もわずかです。

バランタイン12年のハイボールは風味が飛ばない

ただ、ストレートやロックだと、気になるほどではないんですが、若干の樽香や渋みのようなものを感じます。

 

言い換えれば、苦みのあるレーズンのような感じ。これが苦手に感じる方もいらっしゃるかもしれません。とはいえ、主張しすぎない甘味がカバーしています。

 

ロックでは辛味が前に出てくるものの、甘味はしっかりフォロー。甘味といっても果実感強めという印象はなく、バランス重視といったところ。スモーキーさもあまり感じません。

 

ハイボールにすると、さわやかな涼感が出てきます。炭酸で風味が飛んでしまうこともなく、しっかり個性の主張はあります。樽香や渋みは薄まります。

 

後味にはほのかな甘味が口に残ります。ハイボールで感じられる複雑さは価格が300円~500円くらい高いシーバスリーガル12年には負けるかも。

コスパではジョニ黒(ジョニーウォーカー・ブラックラベル)とどちら?

一般的な評価ではブレンデッドの12年物で2,000円前後の価格で購入できるブレンデッドはあまりないので、同クラスのウイスキーではコスパ評価は高いですね。

 

唯一、対抗できるのがジョニ黒こと、ジョニーウォーカーのブラックラベルであり、どちらがうまい、まずいというのもよく話題になりますね。

 

個人的にはアイラモルト好きなので、キーモルトのタリスカーの影響力が強く、ガツンと男性的でやや潮気のあるジョニ黒のほうがいいと思うときもあります。

 

でも、ジョニ黒はつい飲みすぎてしまうので、まろやかで女性的なバランタイン12年のほうがいいときもありますね。

バランタイン12年の価格

バランタイン12年はアルコール度数40度・700mlで、あくまでも記事アップ日(2021年4月19日)の価格ですが、通販販売店では税込2,000円ほど。

 

バランタイン12年の350mlは記事アップ日(2021年4月19日)の価格で税込1,600円ほどなので、700mlを購入したほうがお得ですね。

レビュー評価・ファイネストとの違いをどう感じるかが多数

バランタイン12年を飲む人の特徴は、ファイネストを愛飲する人、あるいはファイネストのアルコール刺激がちょっと苦手という人が、ランクを上げて飲んでみたというケースが多く見られること。

 

両者を比べて、飲みやすいかどうかですね。まずはマイナス評価を指摘する感想をあげてみます。

 

「ファイネストを飲んでハマったので12年を購入。少しクセが強い。初心者はファイネストの方がいい」

「香りが弱く、味も個性が薄い」

「ファイネストは熟成年数が若いからか、樽香は少なめ。12年は比較的樽香が強く、しつこさやえぐみも感じる。樽香が苦手な自分は若さからくる雑感を考慮しても、12年よりもファイネストの方が好み」

「ピート香があまりないので、アイラ系が好きな方には物足りないかも」

 

支持するレビューは以下の通りです。

 

「ファイネストは刺々しいのであまり好きではない。12年は非常にまろやか」

「ウィスキー初心者こそ12年から飲み始めるべき。ファイネスとだと刺激が強すぎる」

「強めのスモーキー、フルーティさは無い。すべてが穏やか。穏やかではあるが、ハイボールでも個性は消えない」

「癖が強過ぎることもなく飲みやすい。常飲するにもちょうどいい価格帯」

「味・香りともまろやかで、普段の晩酌には十分」

「バニラのような甘い香りが特徴的。キレの中にも上品さが感じられるバランスの取れた味わい」

「12年物のコスパならトップクラス」

バランタイン12年のキーモルトは「魔法の七柱」?

ネット情報ではバランタイン12年のキーモルトには7種類の主要モルト原酒が使われているという情報もあります。

 

それが「アードベッグ」「プルトニー」「グレンカダム」「バルブレア」「グレンバーギー」「スキャパ」「ミルトンダフ」で、「魔法の七柱」と呼ばれてきたとのこと。

 

しかし、現在は違うんですね。バランタイン社を傘下にしてきた企業の移り変わりのなかで、蒸溜所の所有者や原酒の売買の問題などから、なかなか公表できないという事情もあるようです。

 

先ほどの4つのキーモルト以外は現在使われていないか、約40種使われているという構成原酒の1つという程度なのでしょう。

 

テイスティングではアードベッグの印象は感じませんでしたが、アードベッグは「バランタイン12年ブレンデッドモルト」のキーモルトに使われているそうですから、まったく入っていないというわけでもなさそうですね。

 

ちなみに、バランタイン5代目マスターブレンダーであるサンディー・ヒスロップさんは同社ホームページの座談会においてもうひとつ重要な情報を明かしています。

 

「12年にはアメリカンオークに加えてヨーロピアンオークも使う。ファイネストをそのまま12年まで熟成させるとアメリカンオークの特徴が際立ちすぎるので、12年には意図的にアメリカンオーク以外の樽を使っている」とのこと。

 

つまり、スパイシーさや甘さを強調しすぎない設計にしているということなのでしょう。

バランタイン12年の飲み方

個人的には12年はストレートやロックで飲むより、ハイボールのほうがクセを感じずにバランスのとれた味わいを楽しめるように感じます。

 

ブレンデッドの飲み方としては、ハイボールをつくり、そのうえにキーモルトをフロート(混ぜずに浮かべる)するという楽しみかたもあります。

 

こうするとキーモルトの風味がよく感じられるとか。先ほどの4種類のキーモルトをフロートすれば、楽しめるでしょう。

 

アードベックをあえてフロートさせて、どの程度入っているのかとイメージするのも面白いかもしれません。

バランタイン12年の種類・ゴールドシール

バランタイン12年は時代とともにラベルやボトル形状を変えて、リニューアルをくりかえしています。

 

「バランタイン12年ゴールドシール」は上から見ると八角形をしている、特級時代のオールドボトルでアルコール度数は43度、700ml・750ml・1000mlがあります。

 

魔法の七柱が使われていた時代でしょうか。ともあれ、甘さを控えで樽感がしっかりあり、麦芽由来の重厚さが強いのが特徴です。

 

現在は終売ですが、流通量が多かったらしく、多少のプレミア価格にとどまっています。

 

通販販売店でも記事アップ日(2021年4月19日)の価格では、税込5,000円くらいから購入できますが、セット販売ならもっと安く購入できます。

 

1000mlでも価格が変わらない販売店もあるので、早めに1000mlをおさえておくとお得です。

バランタイン12年ブレンデッドモルトとは

「バランタイン12年ブレンデッドモルト」はその名の通り、グレーン原酒を使わず、モルトのみを使ったブレンデッドウィスキー。

 

スキャパプルトニー、バルブレア、グレンカダム、グレンバーギー、ミルトンダフアードベッグのモルトがブレンドされています。

 

並行輸入品で40度・700ml、記事アップ日(2021年4月19日)の価格では税込3,800円ほど。

 

巷では通常のバランタイン12年に比べると、主張が強すぎるという声もあります。

 

個人的にはブレンデッドモルトはキーモルトの種類が多すぎないほうがいいような気もしますが、いかがでしょうか。