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ミルトンダフ15年・バランタインの原酒は花の香り、モストウィーとは

ミルトンダフ蒸留所とバランタイン

「ミルトンダフ15年(Miltonduff Aged 15 years)」はスコットランド・スペイサイド地域エルギンにあるミルトンダフ蒸留所が造っているシングルモルトウイスキーです。

 

「バランタイン」のキーモルトとして知られていますが、その経緯は1824年に創業した同蒸留所が、1936年にカナダのカナディアンクラブで有名なハイラム・ウォーカー社に買収されたことに始まります。

 

ジョージ・バランタイン社は同社傘下にあったため、「バランタイン17年」の主要キーモルトに使われるようになりました。

 

ちなみに、ハイラム・ウォーカー社は現在、ペルノ・リカールグループの傘下にあり、ミルトンダフ蒸留所も同系列に属しています。

 

ミルトンダフ蒸留所
ミルトンダフ蒸留所

ローモンドスチルも存在、幻のモストウィーが生まれた時代

1964年にはミルトンダフ蒸留所の拡張工事が行われ、2基の「ローモンドスチル」が導入されます。やがて、ミルトンダフの名を記さない「モストウィー(Mosstowie)」というセカンド銘柄を販売。

 

しかし、1981年にローモンドスチルは撤去され、モストウィーは終売。幻のお酒となりましたが、現在でもわずかにボトラーズのシグナトリー社、ゴードン&マクファイル(GM社)から熟成物が販売されています。

 

ちなみに、ローモンドスチルの味わいを楽しめるのがスキャパ蒸溜所。興味のある方はぜひ、その人気の味わいを試してみてください。

ボトラーズ中心のシングルモルト、オフィシャルが限定発売

これまでミルトンダフはブレンデッド用に多く使われるため、ボトラーズ(記事後半参照)からリリースされる銘柄を除けば、シングルモルトの販売はありませんでした。

 

その後、2018年になり、バランタイン社がオフィシャルボトルとして15年物を数量限定でリリース。日本ではサントリーから5,000本限定で販売されました。

ミルトンダフの特徴

ミルトンダフの特徴のひとつは敷地内を流れる小川、ブラックバーンの軟水で透明な湧き水を仕込み水として使っていること。ウイスキー造りに適した良質な水のため、かつては一帯に50軒もの密造蒸溜所が集まっていたそうです。

 

その後、同蒸留所が政府登録蒸溜所として建てられ、しばらくは密造者たちが残していった道具を使って蒸溜を行っていたとか。

 

現在のミルトンダフはステンレスの発酵槽に、昔ながらのストレートヘッド型のポットスチルが初留3基、再留3基。背が高いタイプで胴体部分に膨らみがなく、ネックの先端で冷却器へつながるラインアームが下向きになっています。

 

この胴体とラインアームの形状、さらにファーストフィルのアメリカンオーク樽による熟成が、最初の苦味、あとから軽やかで甘い花の香りという特徴を生んでいます。

ミルトンダフ15年の価格とレビューの評価

ミルトンダフ15年はアルコール度数40度・700mlで、最安値(税込)は6,500円ほど。

 

一般的な評価からまずはマイナスを指摘する感想として、「私の口には合いませんでした。開栓直後は良かったのですが、次第にゴム系の風味が強まってきました」「まあまあ。思っていたよりは甘い感じがしなかった」など。

 

支持するレビューには「柑橘系の酸味のあとから花の香りと甘みが感じられます」「苦味を少し感じながらもモルティな旨味がある。15年にしてはお買い得」「フローラルでクリーミー。程よい甘み、ウッディさの中にスパイスが効いています」などが見られます。

 

Elgin エルギン
Elgin エルギン

 

甘みに関してはどのお酒と比べての評価なのかもあるでしょう、感覚の差が大きく出るようですね。フローラルな香りはありますが、口にしてみるとけっこうドライ感が気になるのは、ファーストフィルのアメリカンオーク樽のためでしょうか。

 

このほかにも、ボトラーズのBB&R(ベリーブラザーズ&ラッド)社、ゴードン&マクファイル(GM社)、ハンターレイン(HL)社などから熟成物のミルトンダフが販売されています。

ミルトンダフの意味とは

蒸溜所は良質の大麦産地として知られ、スコットランドの庭と讚えられてきた麦畑の中心に位置しています。

 

蒸留所の近くには1236年に建てられたと言われるプラスカーデン修道院。この修道院では古くからエールビールや蒸留酒が作られてきました。

 

1824年になって、同修道院が所有する製粉所を改修して建設されたのが、前身となるミルトン蒸留所。「ミルトン」とは工場のあるところを意味します。

 

その後、ダフ一族によってこの土地が所有されるようになって以降、ミルトンダフと呼ばれるようになりました。

 

歴史を辿っていると、現在のボトルもいいですが、なくならないうちにモストウィーを飲んでおかなければという気持ちになりますね。