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ウイスキー963の種類 定番と黒ラベル、赤ラベルの違いとは

ウイスキー963 福島県郡山市の笹の川酒造による地ウイスキー

ウイスキー963は福島県郡山市にある福島県南酒販(卸問屋)が企画・販売、笹の川酒造の安積蒸溜所が製造している、ブレンデッドウイスキー銘柄です。

 

963の数字の意味は郡山市の郵便番号。読み方はそのままで「きゅうろくさん」。郡山の明治維新からの開拓者精神と、自由闊達で独自路線を貫く気風を象徴したとか。

 

種類には「963モルト&グレーンファインブレンデッドウイスキー963」「ファインブレンデッド21年」のほかに「黒ラベル」「赤ラベル」「ブレンデッドウイスキーミズナラウッドフィニッシュ」「モルトウイスキー8年」「17年モルトミズナラウッドフィニッシュ」があります。

 

郵便ポストの画像

 

お手頃価格の赤ラベルと黒ラベル、続いてモルト&グレーンファインブレンデッドウイスキーあたりが定番人気で、入り口の銘柄としてもおすすめです。

モルト&グレーンファインブレンデッドウイスキー963の特徴

「モルト&グレーンファインブレンデッドウイスキー963(963Malt&Grain Fine blended Whisky)」は熟成年数表示のないノンエイジと、21年物があります。

 

笹の川酒造が貯蔵している原酒とグレーンに、そのほかの原酒がブレンドされています。

 

ちなみに、ブレンドした原酒は非公開。原酒はカスクストレングス、ノンチルフィルタード、無着色で樽本来、原酒本来の風味を味わえるのが特徴です。

 

1.カスクストレングス

樽出しのままの原酒で加水をせず、瓶詰め。

2.ノンチルフィルタード

樽出しのままのウイスキーは冷却や加水によって、アルコールに溶けていた一部の成分が白濁することがあるため、わざと冷却させて白濁成分を濾過するのがチルフィルタード。

 

しかし、複雑で豊かな味わいを持つウイスキーの香味成分までが濾過されてしまうため、ウイスキーマニアの間では濾過なしが重視されることもあります。 

 

3.無着色

無着色(ノンカラード)なので一般的なウイスキーよりも色合いは明るく、輝きのあるゴールドに。

モルト&グレーンファインブレンデッドの価格と評価

ボトルデザインは縦に長いボトルのように見えますが、実際には四角いずんぐりしたボトルでコルク栓仕様となっています。

 

アルコール度数が高いため、アルコールの刺激を強く感じますが、樽の香りと鼻へと抜けるフルーティーな香りが特徴で、ちょっと渋みのあるモルト感が残ります。

 

あくまでも記事アップ日の価格ですが、アルコール度数59度・700mlで定価の目安となる希望小売価格は4,000円(税抜)で、品薄のためか、最安値価格(税込)は4,600円ほどとやや高め。

 

福島県郡山市にある布引高原の画像
福島県郡山市にある布引高原

一般的な評価としてマイナス評価から。やはり、ノンエイジで複数原酒のブレンドということもあり、「値段が高い」という感想はよく見かけます。また、人によっては「後味に樽からくる木のエグ味がやや残る」と感じる方もいるようです。

 

支持する評価としては「樽の香味が主体で力強いアルコール感。柑橘風味にビター感と穀物の風味のバランスがいい」「バニラの甘い香りがあるが、それよりフルーツ系の香りが強く、飲みやすい」など。

黒ラベル、赤ラベルの特徴の違いや価格

黒ラベル・赤ラベルはどちらもアルコール度数46度・700ml。スタンダードとの違いのひとつは加水されていることです。それでも一般的なウイスキーよりも度数は高めに設定されています。

 

さらに、両者の違いとして、黒ラベルはドライな口当たりで力強いスモーキータイプ。ヨード香も感じるアイラ系の風味です。モルト比率も多めなのか、しっかりとしたモルティーさが味わえます。

 

赤ラベルはどちらかといえばハイランド系の風味。香りと味にほんのりシェリー系の甘さを感じるタイプなので、両者で好みが分かれるかも。

黒ラベル・赤ラベルの定価の目安となる希望小売価格は2,800円(税抜)で、通販の最安値価格(税込)は3,000円ほどなので、今のところ高騰はしていないようですね(記事アップ日の価格)。

 

黒の一般的な評価は「独特の樽香がこの価格帯で味わえるのは非常にいい」「最初は辛さを感じたが、オンザロックで試すとかなり呑みやすい」「ジャパニーズウイスキーとは思えないほどのスモーキーさに感動」。

 

赤では「クセがなく色んな食事に合わせやすい」「ハイボール好きには嬉しい一品」などの口コミが見られます。

 

福島県郡山市にある五百渕公園の画像
福島県郡山市にある五百渕公園

笹の川酒造とは

笹の川酒造は日本酒、清酒、合成酒、甲類焼酎、乙類焼酎、地ウイスキー、スピッツ、リキュールなどを幅広く製造している会社です。

 

1946年にウイスキー製造の免許を取得、地ウイスキーブームで全国的な人気を得ますが、その後の国内市場の低迷により原酒蒸留を停止しました。

 

しかし、近年のウイスキーブームの再燃により、新たな設備を導入して2016年より原酒蒸留を再開。イチローズモルトとも関係の深い会社としても有名ですね。今後はシングルモルトの登場が楽しみです。