グレンキンチーダブルマチュアード 定番プラス蒸留所の個性
ローランドのシングルモルトウイスキーを代表するグレンキンチー。熟成年数ボトルと同様に人気を集める「グレンキンチーダブルマチュアード(Glenkinchie Double Matured)」の特徴や定番との違いなどを解説します。
グレンキンチーダブルマチュアードは、UD社が所有する6蒸留所の各マスターディスティラー監修の下につくられたダブルマチュアードシリーズの一つです。
ご存知の方も多いですが、UD社とはユナイテッド・ディスティラーズ社のことで、現在は経営統合されてMHDディアジオモエへネシーとなっています。
![グレンキンチー蒸留所](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/scdc847a1e0eae9fc/image/i6e944dbf10004c1d/version/1543303660/%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%BC%E8%92%B8%E7%95%99%E6%89%80.jpg)
UD社クラシックモルトシリーズのローランド代表銘柄
ブレンデッドスコッチではジョニーウォーカー、シングルモルトではタリスカー、ラガヴーリン、カリラなどでもおなじみですね。
UD社時代にスコットランドを代表する6つの生産地から、同社が所有する6つの蒸留所をフィーチャーして、地域を代表するボトルを販売した「クラシックモルトシリーズ」というものがあります。
北ハイランド・ダルウィニー
西ハイランド・オーバン
スペイサイド・クラガンモア
ローランド・グレンキンチー
アイランズ・タリスカー
アイラ島・ラガヴーリン
本来はハイランドはひとつで、代わりにキャンベルタウンが入るところですが、当時はまだ6つの地域区分が認知され始めた時代。
UD社はキャンベルタウンに蒸留所を所有していなかったため、キャンベルタウンの代わりに西ハイランドのオーバンを紹介したようですね。
ダブルマチュアードシリーズはこの6つの蒸留所のそれぞれのシングルモルトウイスキーを基本として、蒸留所の各マスターディスティラーの監修のもと、通常とは違う熟成方法で仕上げられたシングルモルトなんですね。
ダブルマチュアードの意味と特徴とは
ダブルマチュアードとは「普通の熟成をさせた後に、他の種類の樽に移し変えて数年熟成追加させる」という意味です。つまり、後熟ですね。
グレンキンチーのダブルマチュアードはアモンティリャード(Amontillado)・シェリーを熟成した樽で仕上げの熟成がされています。
アモンティリャードとはパロミノ種というぶどうを使用したシェリー4種類のうちのひとつ。ほかにフィノ、マンサニージャ、そしてウイスキーの熟成ではよく耳にするオロロソがあります。
アモンティリャードはフィノとオロロソとの中間のシェリーと言われています。フィノをより熟成させたタイプで、琥珀色でナッツのような香りが特徴となります。
「クラシックモルトシリーズ」から発展した「ダブルマチュアードシリーズ」は、ご当地のシングルモルトを飲んで特性をつかんだうえで、その蒸留所のマスターディスティラーの個性を楽しむといったところですね。
グレンキンチーダブルマチュアードは43度・700mlで黒ラベルと白ラベル(12年 2003-2015)があります。黒ラベルのほうは「1997年からのニューリリース」とあるだけでくわしい情報がわかりません。
![Andalucia シェリーの生産地、スペインのアンダルシア](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/scdc847a1e0eae9fc/image/ida8dc1ba8ef3668d/version/1543305085/andalucia-%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%81%AE%E7%94%9F%E7%94%A3%E5%9C%B0-%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A2.jpg)
相場価格はいずれも7,000円(税込)前後。わかりやすいのは、情報がはっきりしている白ラベル12年のほうですね。
グレンキンチー12年の特徴を持ちながら、ウッディーな香りとちょっと辛口なシェリーの風味が上品です。