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グレンエルギン12年・味のレビュー評価やホワイトホース蒸留所の特徴

グレンエルギン12年・ホワイトホースのキーモルトの特徴とは

「グレンエルギン12年(Glen Elgin Aged 12 Years)」はスペイサイド地方のエルギン地区にあるグレンエルギン蒸留所(MHDモエヘネシー ディアジオ社所有)が造っているシングルモルトウイスキーです。

 

ホワイトホースのキーモルトで知られていて、かつてはオフィシャルボトルに白馬が描かれていました。

 

オールドボトルにはラベルに白馬とともにホワイトホースの文字が入っているものがあります。

 

グレンエルギンの特徴はさっぱりとした蜂蜜の甘さとオレンジ風味。クセは弱めで複雑さにはやや欠けますが、喉越しのなめらかさと飽きのこない風味にファンも多い銘柄です。

 

エルギンの画像
Elgin エルギン

グレンエルギン12年の価格

グレンエルギン12年はアルコール度数43度・700ml。最安値価格(税込)は記事アップ日の時点(2021年1月29日)で3,700円ほど。

 

グレンエルギン12年を初めて紹介したのが2019年4月中旬ですが、そのときの最安値価格(税込)は3,600円ほどだったので、ほとんど価格推移はないようですね。

 

ちなみに、ボトラーのシグナトリー社やエリクサーディスティラーズ社などからも「グレンエルギン12年」は販売されています。

 

こちらは度数がもっと高かったり、ホグスヘッドの熟成だったりするため、6,000円から8,500円ほどまでと高値で幅があります。

グレンエルギン12年・風味のレビュー評価

オフィシャルのグレンエルギン12年・風味のレビュー評価からまずはマイナス評価を指摘する感想をあげてみます。

 

「決してまずくはないが、物足りなさがある。同額で買える良いウイスキーはいくつもあるので、可もなく不可もなく」

「味の評価が面白かったので試してみた。味はいいがマイルドではない。たくさんの氷で割っても良くならなかった(ドイツ)」

「果物風味のあとにくるアルコールの刺激が強すぎる(イタリア)」

「柔らかくバニラの後味が良いが、それだけで厚みがない。価格を考えると、他のブランドに移行することをおすすめする(イタリア)」

 

支持するレビューは以下の通りです。

 

「シングルモルトらしい少しの癖が良い。鼻に抜ける香りと喉ごしが癖になる」

「香りが良く、いい感じでアルコールの角もある」

「MJ氏も将来期待できるモルトと昔言っていた。なかなかの出来栄えで価格的にもスペイのシングルモルトではお買い得な部類」

「スモーキーさがほとんどないので、初心者やギフトとしても素晴らしい。香りに加えて、ウイスキーの色とエレガントなデザインも気に入っている。12年熟成ウイスキーでも複雑な風味(ドイツ)」

「友人との試飲で12種類のウイスキー中3位。はるかに高価なウイスキーに勝った。良いウイスキーはそれほど費用がかからないという証明(ドイツ)」

 

MJ氏とはおそらくウイスキー評論家の故マイケル・ジャクソン氏のことでしょう。

 

ガツンと飲みたい気分では選ばない銘柄かもしれませんが、こういう上品な銘柄が飲みたいときもたしかにありますね。

グレンエルギンの種類・人気の1995(蒸留年)や21年

グレンエルギンの種類には9年・21年・23年などが流通しています。とくに蒸溜年1995年の「1995」が流通していて、同じ1995年でも21年物と23年物があったりします。

 

ボトラーのシグナトリービンテージ社「グレンエルギン1995・21年」やケイデンヘッド社の「グレンエルギン1995・21年ホグスヘッド」、「グレンエルギン1975・37年」などがあります。

個性的な風味を生み出す蒸留所の設備

グレンエルギン蒸留所で使う仕込み水はミルビュイズ湖の近くにある泉の水。ストレートヘッド型で初留、再留釜を合わせて計6基のポットスチルで蒸留されます。

 

年間生産量は7,000リットル前後とスペイサイドでは少量生産。創業は1898年でしたが、大恐慌の中で建設計画の変更を余儀なくされながら1900年に操業を開始しています。

 

イワツバメの画像
Martin イワツバメ

 

蒸留所は立地条件に恵まれていて、かつてはグレン川の豊富な水を動力源にタービンを回していたので、1950年までは電力の必要がなかったとか。

 

同蒸留所はタリスカー蒸留所と同じく、昔ながらの大きな木製ワームタブを使っていることでも知られています。ワームタブとはウィスキーを蒸留する際に利用する冷却装置の一種なんですね。

 

曲がりくねった管(ワーム)が中を通る桶で、長いパイプの中を蒸気が通るうちに冷やされて液化する仕組みです。

 

広い場所と大量の水を使うために効率は悪いものの、冷却速度がゆるやかなために香り豊かな酒質になると言われています。

ラベルの鳥はイワツバメ

ワームタブは蒸留所の屋外に設置されていて、このまわりをイワツバメが行き交っています。イワツバメはヨーロッパで身近な鳥で、山の奥深くの岩壁や洞窟などに巣をかけます。

 

日本では近年、都市に進出して駅や学校、橋、倉庫、ビルなどの壁でも繁殖しています。足指まで白い羽毛に覆われているため、「空飛ぶペンギン」というニックネームでも呼ばれているんですね。

 

ワームタブもイワツバメもオフィシャルボトルのラベルに描かれているので、チェックしてみてください。顔も足もかわいい~(笑)。