オルトモア12年 ウイスキー通を唸らせる果実感と樽の香りのバランス

オルトモア12年・デュワーズのキーモルトで有名な蒸留所

「オルトモア12年(Aultmore 12Years Old)」はスコットランド・スペイサイドのキース地区にあるオルトモア蒸留所で造られているシングルモルトウイスキーです。

 

同蒸留所は現在、スコットランドに5つの蒸溜所を所有するジョン・デュワー&サンズ社(バカルディ社傘下)が経営しています。

 

一般の知名度は高くありませんが、これまでにブレンデッドスコッチ「デュワーズ」「VAT69」「ジョニーウォーカー黒ラベル」のキーモルトとして使われてきたため、オフィシャルのシングルモルトはわずかだけでした。

 

オルトモア蒸留所
オルトモア蒸留所
photo credit: martyn jenkins 2013-04-30 392 Aultmore Distillery via photopin (license)

ブレンダー・評論家の評価が高いトップクラスのスコッチ銘柄

それが、UD社がオーナー時代の「花と動物シリーズ」。ほかにはボトラーズ物で探すしかありませんでした。

 

それが、シングルモルトブームもあって2004年になり、オルトモア12年が初めてオフィシャルにリリースされることに。日本では2016年に12年のデザインがリニューアルされ、18年と25年が追加販売されています。

 

オルトモアはブレンダーや評論家からの評価が高く、スコットランドのウイスキー産業内ではトップクラスと評される12のモルトのうちの1つに数えられる稀少価値の高いブランドです。

オルトモア蒸留所の特徴

オルトモアとはゲール語で「大きな小川」を意味し、蒸留所名は近辺を流れるオーヒンデラン川に由来するといわれています。

 

ボトルのラベルには「AULTMORE OF THE FOGGIE MOSS」と書かれていますが、フォギー・モスとは霧が深い湿地。仕込み水にはこの野生の植物が自生する泉の水が引かれています。

 

蒸留所のある場所は濃霧で周囲が見えなくなる幻想的な土地柄で、昔は木々がうっそうと自生していて遠くから確認できないため、密造に適した土地だったとか。

歴史的意義のある蒸留所の取り組み

オルトモア蒸留所はアレクサンダー・エドワードが1897年に創業。1923年にジョン・デュワー&サンズ社に買収されて以降、オーナーが次々と変わり、閉鎖、再開を繰り返しますが、1998年にバカルディ社の子会社となったジョン・デュワー&サンズ社が所有して現在に至ります。

 

長い歴史を生き抜いてきた同蒸留所の取り組みは、現代に高く評価されています。そのひとつが、蒸気機関による発電。設立後まもなく水車の動力から蒸気機関に切り替えて発電が始まりました。

 

修理以外は24時間体制で、70年に渡って電力が供給されました。現在の蒸留所は近代的な「ウォータールー・ストリートスタイル」と呼ばれる様式に変わりましたが、蒸留所の二階に蒸気機関は歴史的資料として展示されています。

Foggie Moss フォギー・モス(イメージ画像)
Foggie Moss フォギー・モス(イメージ)

また、1952年には廃液を加工して「ダークグレーン」と呼ばれる家畜用の飼料を作り出すことに成功。このエコ技術はその後、多くの蒸留所に広く普及していくことになるんですね。

オルトモアの価格とレビューの風味評価

オルトモア蒸留所ではノンピートのモルトを使い、糖化槽マッシュタンがステンレス製、発酵槽マッシュタンはカラ松製の6つの木桶と使い分けられています。

 

ポットスチルは初留釜1万6400リットルが2機、再留釜は1万5000リットルが2機の計4機という生産体制です。

 

オルトモア12年はアルコール度数46度・700mlで、最安値(税込)は5,000円ほど。一般的な評価では「若干の若さを感じる」という指摘がありますが、それを上まわる魅力も認められています。

 

「12年物にしては色が薄く感じますが、味わいはしっかりとしていて飲みごたえがあります」「ほどよいフルーティ感と甘さ、樽の香りのバランスがいい」などのレビューですね。

 

ノンピートなので、スペイサイドモルトでも麦感はやわらかめで、フルーティ感もさっぱりと透明感のある味わいです。コルク栓も上品で高級感があります。