ティーリングシングルモルト・復活アイリッシュウイスキー蒸留所の評価

ティーリングシングルモルト・アイリッシュウイスキーの特徴

「ティーリングシングルモルト(Teeling Single Malt)」はアイルランドのダブリンに本拠を構えるティーリングウイスキー社が販売しているアイリッシュシングルモルトウイスキーです。

 

ティーリングシングルモルトは熟成年数表記のないノンエイジですが、使っている樽の種類にこだわりがあります。

 

酒精強化ワインに使うシェリー樽、ポート樽、マデイラ樽。そして、白ワインのホワイトバーガンディ樽、カベルネ・ソーヴィニヨン樽の5種類。

 

この5種類の樽でフィニッシュしたモルトがブレンドされているんですね。

 

ティーリング蒸留所の画像
Teeling Distillery ティーリング蒸留所
photo credit: nairnmcwilliams Ireland 2017 6560 via photopin (license)

 

とはいえ、ティーリング蒸留所自前のシングルモルトが発売されるのはもう少しあとかもしれません。

 

後半に紹介しますが、蒸留所の稼働が2015年春ですから、在庫分はアイルランドのほかの蒸留所から供給された樽で、まだ自前のモルトではない可能性もあります。

ティーリングシングルモルトの価格とレビュー評価

ティーリングシングルモルトはアルコール度数46度・700mlで、今日現在の販売店での安い価格帯は3,500円ほど。

 

初めてこのブログで紹介した2018年10月には5,000円ほどでした。

 

まだ高値の販売店が多いですが、わずかながらこの価格帯の販売店も出てきたのはうれしいですね。

一般的な評価は、今のところドイツからが多いですね。まずはマイナス評価を指摘する感想を抜粋して紹介します。

 

「若さを感じる(日本)」

「若すぎて辛い味。バレル、または少なくともボトルでさらに数年保管するといい(ドイツ)」

「私のお気に入りではない。コルクの品質が良くない(ドイツ)」

 

支持するレビューは以下の通りです。

 

「価格パフォーマンスと味の点でワールドクラス。凝縮されたフルーティーさと甘さに味わいがあるが、甘すぎることはない(ドイツ)」

「46度だが信じられないほど穏やか。無制限の購入を推奨する(ドイツ)」

「幻想的な甘さとフルーティーさが最初の印象。個々の香りの色合いを区別できまないが、ハニーやハニーデューメロン、バニラなどは認識できる。信じられないほどの温かい甘さ(ドイツ)」

「樽の甘さ、ウッディな香りがありながら、ビター感は控えめ(日本)」

「白桃とシトラスがみずみずしい香り(日本)」

「私が試した中で最高のアイリッシュ。スコッチやジャパニーズウイスキーとは別物なので比較できない(スペイン)」

 

ノンエイジにありがちな若い原酒の辛さ、とげとげしさを感じるというレビューもありますが、香りと5種類の樽の果実感に魅了されている人は多いですね。

 

ティーリング蒸留所のポットスチルの画像
Rebecca 蒸留所のポットスチル・レベッカ
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創業者はキルベガン・カネマラのクーリー社を経て同社を設立

ティーリングウイスキー社は、もともとアイルランドのダブリンに本拠を構えるインディペンデントボトラー(独立瓶詰業者)でした。

 

現在はボトラー(独立瓶詰業者)でありながら、蒸留所も経営しています。

 

ティーリング蒸留所はウォルター・ティーリング氏によって、ダブリンのマローボーンレーンに建設されました。

 

その後、2世紀にわたって成功を収めましたが、アイルランドのウィスキー市場を席巻したジェムソン家に売却されたのち、アイリッシュウィスキーへの需要減少により蒸留所は閉鎖されてしまいます。

 

その後、一族の血を引くジャック・ティーリング氏がこの業界に入ると、キルベガン(Kilbeggan)カネマラ(Connemara)で知られるクーリー社の社長を務めることに。

 

ジム・ビームのビーム社(現在のビームサントリー社)によるクーリー蒸留所買収を機に退社すると、グレートノーザンディスティラリーでグレーンウイスキーを造り始めます。

 

アイルランド各地にグレーンウイスキーを供給しながら、国内のクラフト蒸溜所をサポートしてきました。

 

やがて、彼はハンドクラフト&スモールバッチのアイリッシュウイスキーを造ろうと、2012年にティーリング社を設立。

 

アイルランドの蒸留所(非公開)と樽の供給に関する契約を結び、今後使用する樽を長期にわたって確保しました。

ダブリンの画像
Dublin ダブリン

復活したアイリッシュのスモールバッチ主義の蒸留所

こうして、独立瓶詰業者として活動しながら、自らの蒸留所経営も視野に入れるようになります。

 

2015年春には彼の息子さんであるジャック&スティーブン・ティーリング氏が同家とゆかりがあるダブリン市内に「ティーリング蒸留所」を建設。

 

ダブリン市内の蒸留所がすべて閉鎖されてから、約125年ぶりとなる出来事でした。

 

アイリッシュ伝統の3回蒸留を可能とするポットスチル設備を持つマイクロディスティラリーで、大規模なビジターセンターも併設されています。

 

ちなみに、使われている3つの蒸留器も19世紀のダブリンの蒸溜所で使用していた形を参考に、イタリアのメーカーに依頼したもの。

 

それぞれに「アリソン」「ナタリー」「レベッカ」と名前が刻印されていますが、これは創業者ジャック氏の娘さんの名前なのだそうです。

 

ダブリン市内の有名な観光地、セントパトリック大聖堂に隣接したところで、今や年間6万人が見学に訪れるという人気蒸溜所なんですね。

 

ティーリングのラベルに描かれた鳥は「煙突から昇るフェニックス」を意味します。

 

スモールバッチならではの良質で個性的なアイリッシュウイスキーをどんどん生み出してほしいですね。