ストラスアイラ12年・終売による価格推移は?
「ストラスアイラ12年(Strathisla 12 Years of Age)」はスコットランド・スペイサイドの東側にある町、キースにあるストラスアイラ蒸留所が造ってきたシングルモルトウイスキーです。
「ストラスアイラ」の原酒のほとんどは「シーバスリーガル」「ロイヤルサルート」のキーモルトとしてブレンド用に使われます。
とくにシーバスリーガルではストラスアイラは「Home of Chivas」と呼ばれるほどで、シングルモルトとして多くは出回りませんでしたが、少量なら通販でも購入できたんですね。
ところが、シングルモルト人気を受けて2019年の2月に終売と発表があり、その後すぐにメーカーの在庫は完売。あとはわずかに残った販売店の在庫のみとなりました。
![ストラスアイラ蒸溜所の画像](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/scdc847a1e0eae9fc/image/i9bff58a439e5dcf7/version/1585544447/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%A9%E8%92%B8%E6%BA%9C%E6%89%80%E3%81%AE%E7%94%BB%E5%83%8F.jpg)
ストラスアイラ12年はアルコール度数40度・700mlで、あくまでも記事アップ日の価格ですが、販売店での安い価格帯は10,000円ほど。
1000mlもありますが、日本の通販販売店ではすでに在庫が見つからないようです。
700mlのボトルを初めて紹介した2018年初頭は最安値で3,900円ほどだったので、やはり終売の影響による価格推移は凄まじいですね。
ストラスアイラ12年の風味の特徴・レビュー評価
ストラスアイラ12年の特徴は「花の蜜」と言われる繊細な甘さと、まろやかなスモーキーさにあります。
ストレートやロックで飲んでも重くなく、多少の加水によって華やかな香りが引き立つので、香りを満喫したい方にはおすすめの飲み方です。
女性やウイスキー初心者の方にも飲みやすく仕上がっています。
「ストラスアイラ12年」の一般的な評価ではマイナスを指摘する感想はとく見当たらないので、支持するレビューだけ紹介しましょう。
「ストレート、トワイスアップ、ロック、ハイボール等々、飲み方を変えてもバランス良く飲める」
「どこをとっても及第点が取れるウィスキー。豊かで様々な特徴が掛け合わさったような味わい。香りも豊潤で良い」
「甘さが喉奥に長く残る。舌・鼻・喉の3点で感じる良質な甘さ」
「クセがなく、華やかな香りで飲みやすい。モーレンジのオリジナルに近い」
「重くドスンと響くタイプとは対極にあるが、複雑で華やかな特徴がある」
ウッディな香りは少なめなので、個性のある甘さと香りという点で高く評価されるシングルモルトですね。
![花畑の画像](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/scdc847a1e0eae9fc/image/i3a89ca907f4a8238/version/1585545336/%E8%8A%B1%E7%95%91%E3%81%AE%E7%94%BB%E5%83%8F.jpg)
ストラスアイラ蒸留所とは?
ストラスアイラ蒸留所の創業は1786年。スペイサイドに現存する蒸留所では最古と言われ、もともとはミルタウン蒸留所という名前でした。
1950年にシーバスブラザーズ(当時シーグラム社傘下・2018年現在ペルノリカール社傘下)が蒸留所を買収後、名称がストラスアイラに変更されました。
意味はゲール語で「アイラ川が流れる広い谷(ストラス)。」
アイラと名がつくのでアイラ島(Islay)を想像する人もいるようですが、こちらはあくまでもスペイサイドのアイラ川(Isla)。
アイラ川が20マイルに渡って流れる広い谷に囲まれた場所に、ストラスアイラ蒸溜所はあります。
スコットランドの蒸留所といえば、必ず同蒸留所の写真が掲載されるほど観光地としても有名ですね。
蒸溜所建築の第一人者、チャールズ・ドイグが設計した、美しい双頭のキルン塔がシンボルです。
ちなみに、キルン塔とは発芽した大麦をピート(泥炭)でいぶしながら乾燥させる乾燥棟になります。
いまでも現役で稼働している水車、玉石が敷き詰められた中庭など、キースの町の裏手にある落ち着いたたたづまいと相まって、外観の美しさでも観光客を魅了しています。
![馬の画像](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/scdc847a1e0eae9fc/image/i1aced1b29df17779/version/1585545514/%E9%A6%AC%E3%81%AE%E7%94%BB%E5%83%8F.jpg)
ストラスアイラ蒸溜所の仕込み水は、昔から「フォンズ ブリエン(Fons Bulliens)」と呼ばれる、井戸から汲み上げる湧き水です。
この水はカルシウム分を多く含んでいて、原酒の隠し味とも言われる貴重な水ですが、この井戸には妖精伝説があるんですね。
「日が暮れると馬の姿をした妖精が現れて、蒸溜所の大切な水と井戸を守り続けてくれる」とのこと。
水にこだわるストラスアイラを、ロマンチックに象徴するような逸話ですね。
原酒の貯蔵にはバーボン樽とシェリー樽が使われ、モルト乾燥の際に使うピートを微量にすることでピート香が弱く、華やかな香りが立つように工夫されています。
オフィシャルはなくても、ボトラーズから再販があるかも
今後、ストラスアイラのオフィシャルブランドはなくなってしまうようで、蒸溜所で造られた原酒はシーバスリーガルへの原酒供給へまわるそうです。
とはいえ、原酒の一部はボトラーズへ供給されるという情報もあるので、12年を含めた熟成表記ボトルの登場に期待したいですね。