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「ロンドンヒル ドライジン」イアン・マクロード社の辛口ストレート

「ロンドンヒル ドライジン(London Hill Dry Gin)」はスコットランド・エディンバラ近郊のブロックスバーンに本拠地を置くイアン・マクロード社が販売しています。

 

ブレンダー兼ボトラーズとして知られる同社オーナーのイアン・マクロード氏は、スコットランド北西部インナーヘブリディーズ諸島のなかで最も北方に位置する島、スカイ島の氏族として知られています。

 

同社は1895年にウイスキーのボトラーズとして創業しました。ボトラーズとはインディペンデントボトラーズとも呼ばれる、独立した瓶詰め業者です。

 

Isle of Skye スカイ島
Isle of Skye スカイ島

 

蒸留所ではそこで造られた複数の樽のモルトウイスキー(モルト原酒)を混ぜてシングルモルトウイスキーがつくられます。

 

しかし、ウイスキーの製造、瓶詰め、販路の確保までを含めると、蒸留所にはたいへんな手間とコストがかかります。そこで、スコッチウイスキーの蒸留所独特の文化として、2つの方法が生まれたんですね。

 

ひとつは各蒸留所のマスターブレンダーが調整して、そのまま瓶詰めまでしているもので、オフィシャルボトルやスタンダードと呼ばれます。

もうひとつが、「ボトラーズブランド(またはボトラーズ)」。つまり、瓶詰め業者が蒸留所から原酒を購入。独自の熟成を行って瓶詰めして、自社のラベルで販売するもの。

 

当然、オフシャルブランドと異なった味わいになります。蒸留所にとってもボトラーズブランドに瓶詰めや販売を任せれば、製造だけに集中できるというメリットがあるわけです。

 

ですから、クラフトジンの蒸留所ではシップスミス社のように大手の傘下に入って、販売網を世界に広げる動きもあります。

 

distillery-barrels ウイスキー樽
distillery-barrels ウイスキー樽

 

ちなみに、オフィシャルという言葉は「公認の」「公式な」という意味で、日本で認識されがちな「正式」「本物」という解釈とはちがいます。

 

ウイスキーにおいてもオフィシャルだから本物、ボトラーズだから格が落ちるなどということはなく、むしろ、同じ原酒をどうアレンジするかがおたがいの腕の見せどころなんですね。

 

イアン・マクロード社はグレンゴイン蒸留所オーナー、2011年にはタムドゥー蒸留所買収と、ブレンダー兼ボトラーズとして不動の地位を確立。

 

The Times 1785年は世界最古の英国日刊新聞「タイムズ」の創刊年
The Times 1785年は世界最古の英国日刊新聞「タイムズ」の創刊年

 

同社が関与するボトルについて、蒸留所名を記載できるボトルはイアン・マクロード社、蒸留所名を記載できないボトルはスコティッシュ・インデペンデント・ディスティラーズ社と表示されます。

 

「ロンドンヒル ドライジン(London Hill Dry Gin)」のホームページを調べてみると、造っているのはロンドン・ラングレー蒸留所のようですね。

 

イアン・マクロード社は1895年創業ですが、「ロンドンヒル ドライジン」の誕生は同社が生まれる100年以上前の1785年のラングレー蒸留所に遡ります。

 

 

ここで生まれたドライジンをもとに、「厳選された12種類以上のハーブやスパイスといったボタニカルを使用して、門外不出の秘伝のレシピによって作られた」というのが一般的な情報。

 

現在はホームページに若干のヒントが明かされています。レモン、スイートオレンジを含む柑橘類の皮、ジュニパーベリー、コリアンダーシードを含むボタニカルで、人工の風味、油、エッセンスは使われていないと表記されています。

 

「ロンドンヒル ドライジン」は2000年、2001年、2003年とインターナショナル・ワイン&スピリット・コンペティション金賞を受賞。

 

 

タンカレーやボンベイのような深い複雑さはないものの、アルコール度数は47度あり、ジュニパーベリーの味わいがストレートに感じられる硬派な辛口となっています。

 

ボトラーズブランドの心意気が伝わってきます。