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「ザ・レイクスジン」イギリス湖水地方の厳選カンブリアンボタニカル

「ザ・レイクスジン(The Lakes Gin)」はイギリス・湖水地方のコッカーマスの町から10キロほど東、バッセンスウェイト湖のほとりに設立されて間もない「レイクス蒸留所」が造っています。

 

湖水地方(Lake District)とはユネスコ世界遺産にもなっている、イングランド(England)北西部ウェストモーランド・カンバーランド郡・ランカシャー地方にまたがる地域の名称です。

 

なかでもレイクス蒸留所のあるダーウェント湖は、湖水地方北部の中で最も美しい湖と言われていて、ダーウェント湖観光の街ケズウィックの南にはサプライズ・ビューと呼ばれる絶景ポイントもあります。

 

Lake District 湖水地方
Lake District 湖水地方

 

湖の色、注ぎ込む川の流れ、山並みの美しさに魅了されるこの土地で、ポール・カリー氏らによる蒸留所の計画が動き出したのは2013年でした。

 

ポール・カリー氏のお父さんはシーバスブラザーズで代表を務めるなど、長年ウイスキー業界で培った経験を持つハロルド・カリー氏。

 

ハロルド氏は1995年、スコットランドのアラン島で150年以上ぶりにウイスキーづくりを復活させたアラン蒸溜所を設立した人ですから、蒸留の遺伝子が受け継がれているんですね。

レイクス蒸留所は2014年12月にモルトウイスキーの製造を開始、「ザ・レイクスジン(The Lakes Gin)」はそのあとで誕生します。

 

「ザ・レイクスジン」は高品質な英国産ウィート(小麦)スピリッツに、カンブリアンジュニパーのほか、ヘザー、ホーソン、ミントを中心に計14種のボタニカルが使われています。

 

ハンドクラフト銅製ポットスチル「チェミー」によって最長8時間かけてゆっくりと蒸留されたあと、ダーウェント川のクリスタルクリアウォーターで調整されて滑らかな味わいに変わります。

 

Isle of Arran アラン島
Isle of Arran アラン島

 

「ザ・レイクスジン」はジュニパーのほか、6種類にカンブリアの植物が使われているのが特徴です。

 

カンブリアとはイングランド北西端の県にあたる地域。1974年に当時のカンバーランドとウェストモーランド、ランカシャーとヨークシャーの一部が合併して誕生しました。

 

古くはケルト系のカンブリア人が住み、カンブリア語が話されていたことにさかのぼります。湖水地方をはじめとした豊かな自然が有名で、なかでも「ザ・レイクスジン」にも使われているイギリス産の野生ジュニパーがあるのはここだけなのだそうです。

 

Heather ヘザー(ヨーロッパやアフリカ原産のツツジ科の植物)
Heather ヘザー(ヨーロッパやアフリカ原産のツツジ科の植物)

 

実は近年、イギリス国産種のジュニパーは絶滅が危惧されています。ちなみに、イギリスのジュニパーのうち4分の3はスコットランド産です。

 

スコットランドでは一般的なジュニパーと亜種の両方が食害や森林創出、焼畑、食害、菌により危機的な状態にあります。その8割が「成長を終えたか、老齢に達したか、枯れている」状態にあり、保護活動も始まっています。

 

イタリア産に切り替えている蒸留所もあるそうですが、貴重なカンブリアンジュニパーを味わえるのは、皮肉にも少量生産のクラフトジンならではの魅力かもしれません。

 

alpaca アルパカ
alpaca アルパカ

 

ちなみに、ポットスチルの「チェミー」はポール氏の奥様レイチェルさんのお名前からきているのだとか。見学もできる蒸留所は、オープンして半年ほどで5万人が訪れたという観光名所になっています。

 

蒸留所内にあるレストラン兼バーでは、北イングランドで初めてミシュランの星をもらった一流シェフが料理を作っています。

 

ピーターラビットの故郷としても知られる地域。レイクス蒸留所の敷地内で飼育されているアルパカが待っていてくれます。