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濱田酒造・ジャパニーズクラフトジン樹々とプラム 風味の違いと評価は

濱田酒造のジャパニーズクラフトジン樹々とプラムブロッサムの違い

樹々と書いて読み方は「じゅじゅ」。「ジャパニーズクラフトジン樹々(Japanese Craft Gin JUJU)」は鹿児島県の焼酎メーカー「濱田酒造」が造っています。

 

スタンダードとは別にプラムブロッサム(JUJU PLUM BLOSSOM)も販売されています。今回は両者の違いや価格、一般評価を紹介します。

 

スタンダードの樹々とプラムとの違いは2つ。それはベーススピリッツとボタニカルの種類が違うことです。

 

forest 森の木漏れ日をイメージした樹々
forest 森の木漏れ日をイメージした樹々

特徴的なベーススピリッツとボタニカルの種類

緑ラベルのスタンダード「樹々」のベーススピリッツには焼酎製造メーカーらしく、黒麹・減圧蒸留(後述)で仕込まれた本格米焼酎を使用。

 

さらに、ジュニパーベリー、国産柚子、カモミール、オレンジピールやコリアンダーといった7種のボタニカルが使われています。ボタニカルの種類としては国産柚子以外には王道のジン素材といったところです。

 

これにたいして、赤ラベルの「プラムブロッサム」のベーススピリッツには本格麦焼酎で仕込んだ梅酒を蒸留したものが使われています。ボタニカルはジンの基本となるジュニパーベリーにハーブ類が加えられています。

樹々の価格とレビューの評価

銘柄

通販販売店の最安値価格(税込)

 樹々

38度・700ml

2,000円ほど

RTD缶「樹々スパークリング」

7度・350ml×24本

4,500円ほど

 プラムブロッサム

(40度・700ml)

2,500円ほど

ジャパニーズクラフトジン樹々はアルコール度数38度・700mlで、最安値(税込)は2,000円ほど。定番はRTD「樹々スパークリング」の缶も販売されていて、度数7度・350ml×24本で4,500円ほど。

 

一般的な評価からまずはマイナスポイントをあげてみます。「あくまで日本のジンということで頂かないと香りも味も違和感だけが残る」「ジンらしくない感じ」「好き嫌いが分かれそう」「クラフトジンとしてはちょっと癖が弱いかも」「海外のジンのようなとがり方はしていないので、キリッとしたワイルドさを求める方には物足りないかも」などの感想があります。

 

chamomile カモミール
chamomile カモミール

支持する感想では「日本人に合っており飲みやすい」「一口呑んで味わうと物凄い芳香。樹に酔う感じ」「焼酎のような癖は無く、アルコールの強さはあるが飲みやすい」「蓋を開けた時のジュニパーベリーやスパイス香が爽やか」などのテイスティングレビューが見られます。

 

まとめると、原料自体は王道ですが、ベーススピリッツが米なので味わいが柔らかいんですね。クセの強いロンドンドライジンタイプが好きな方にはマイルドすぎて物足りないかも。繊細な国産ジンが好きな方には向いています。

プラムブロッサムの価格とレビューの評価

プラムブロッサムはアルコール度数40度・700mlで、最安値(税込)は2,500円ほど。一般的な評価からまずはマイナスポイントをあげてみます。

 

「梅酒と思って飲むと残念な感じになる」「梅酒を飲むときのような甘い芳香を想像していたので現実は全く違いました」「どなたかが梅仁丹の味とレビューしていたが、言い得て妙」など。

支持する感想では「後味に甘みを感じるマイルドな梅風味」「和JINらしい梅の香りが楽しめますので、個人的には好き」「糖分や酸味や梅の味がありません。味は香りが違いますがginそのままの味でした」「トニックウォーターで割ってみたら、梅酒の炭酸割り!酸味が口の中に広がってうまい」などのレビューが見られます。

 

つまり、梅酒ベースといっても、蒸留してあるので甘味が残っているわけではないんですね。梅酒の延長上という先入観からつい甘味を期待してしまう方も多いんですが、実際には梅風味が感じられるジンです。

 

やっぱり梅酒のように甘めに飲みたいという方は、レビューにもあるようにトニックウォーターで割ってみたり、梅酒をちょっと足してみたりすれば楽しめますのでやってみてください。

 

yuzu 柚子
yuzu 柚子

焼酎づくりの老舗、濱田酒造とは

濱田酒造は鹿児島県いちき串木野市(いちきくしきのし)に本社を構える、明治元年創業の本格焼酎づくりの老舗です。

 

地元鹿児島の黄金千貫(コガネセンガン)を使った芋焼酎「赤兎馬(せきとば)」や「海童」で全国的にも知られています。

 

仕込みや蒸留、ボトリングや出荷など、あらゆる工程で最新設備を導入。ベテラン杜氏の技術と経験を数値化してコンピュータ制御することで、高品質の焼酎を安定生産しています。

 

本社と同市内に伝兵衛蔵(でんべえぐら)・傳藏院蔵(でんぞういんぐら)・金山蔵(きんざんぐら)という3つの焼酎蔵があり、樹々は傳藏院蔵からのブランド。

 

日本酒と同じく、焼酎づくりでも「麹」は非常に重要で、芋焼酎では「黒麹、白麹、黄麹」の3タイプの麹が使い分けされています。

 

いちき串木野の海と半島
いちき串木野の海と半島

ベーススピリッツの軽さの秘密は米ベースと減圧蒸留

もともと、焼酎の麹には清酒と同じ黄麹菌が使われていましたが、明治の終わりに泡盛製造に使われていた黒麹菌が使われるようになりました。

 

黒麹菌は黄麹菌と比べて、大量のクエン酸を造ります。クエン酸はもろみを腐らせる雑菌の増殖を防ぐので暖地でも安全に発酵ができる利点があります。また、クエン酸の酸味が力強いキレをもたらしてくれます。

 

同社で行われている減圧蒸留は蒸留器内の気圧を下げることで、100℃より低い温度で沸騰させる方法。高沸点成分の気化を抑えられるので、口当たりの軽やかなスピリッツとなります。

定番の樹々ではこのベーススピリッツにボタニカルを約1ヵ月半も漬けこみます。その後、「季の美 京都ドライジン」のように同種類のボタニカルグループごとに蒸溜され、できた原酒をブレンドする製法がとられています。

 

商品名は日本の美しい山々の森の樹々とそこから差し込む木漏れ日、さわやかな味わいをイメージしているそうです。