· 

グレンファークラス105カスクストレングスの風味評価や限定22年とは

グレンファークラス105カスクストレングスの風味評価や限定22年

グレンファークラス105カスクストレングス(Glenfarclas 105 Cask Strength)の一般的な風味評価や熟成表記22年について解説します。

 

グレンファークラス105カスクストレングスはスコットランド・ハイランド内スペイサイドにある、グレンファークラス蒸溜所が造っているノンエイジのシングルモルトウイスキーです。

 

グレンファークラスの中でも12年や10年と並んで高い人気をもつボトル。

 

105はアルコール度数60度(英国式のプルーフ表示)の意味で、ノンエイジのカスクストレングスなのでストレートではスパイサイドモルトらしからぬ荒々しさを感じるかもしれません。

 

グレンファークラス蒸溜所の画像
Glenfarclas Distillery グレンファークラス蒸溜所
photo credit: ntwilkie Making a Call via photopin (license)

しかし、オレンジやメロンのフルーティさ、濃厚なダークチョコレートの後味など、豊かな風味も併せ持っている特徴があるんですね。

 

ストレートでキツいようなら氷少なめのロック、あるいは少量の加水をすればバランスが整って味わいやすくなります。

 

また炭酸割りでも華やかな広がりを見せてくれるので、いろんな飲み方で楽しめます。

 

グレンファークラスの種類には10年、12年のほかに、15年、17年、21年、25年、30年、40年といった年数表記ボトルがあり、それらは白地のラベルになっていますが、105カスクストレングスはどっしりとした黒ラベルに白抜き文字が目印です。

グレンファークラス105カスクストレングスの価格とレビューの評価

グレンファークラス105カスクストレングスはアルコール度数60度で700mlと1000mlがあります。

 

今日現在の安い価格帯は700mlが4,700円ほど、1000mlが3,800円ほどで容量の多い1000mlのほうがお買い得となっています。

 

一般的な評価からまずはマイナス評価を指摘する感想をあげてみます。

 

「すごいインパクトのある風味。ピート臭ではないが、なかなかクセがある」

「ウイスキーは度数が高いほど旨いと聞きますが、私にはハードルが高すぎた」

 

支持するレビューは以下の通りです。

 

「ストレートではシェリー系の甘い味が目立ち、ロックでは甘味が抑えられビターな感じに変わる」

「このままだとうまいがきつい。ちょっと水でバッティングすると、やっぱりハイランドウィスキーなんだと感じさせるスムーズな味となる」

「ロックが非常においしいが、ハイボールでもまったく魅力が失われない」

「アルコールの刺激は強いが、追うように濃い甘みが覆い被さってくる」

「近年シェリーは高めなのでこの価格設定はありがたい」

「口当たりの良さはスペイサイド物の中でもトップクラス」

「ガツンとした品の良いウイスキーが飲みたい時、きっと満足できる」

 

並行輸入品のなかには保存状態のよくない古いボトルもあるようなので、販売店ごとに口コミをしっかりチェックして購入されることをおすすめします。

グレンファークラス105カスクストレングス22年とは

グレンファークラス105カスクストレングスには22年という年数表記ボトルもあります。

 

こちらは105カスクストレングス発売50周年を記念した限定商品で、国内本数132本というレア商品のため、非常に希少となっています。

 

今日現在の安い価格帯は60度・700mlで27,000円ほど。入荷時には40,000円ほどしていたので、価格は下がっていますが数が少ないのでお早めに。

グレンファークラス蒸溜所の歴史

グレンファークラス蒸溜所は1836年にロバート・ヘイによって設立され、その後、1870年に近隣農場主だったジョン・グラントと息子のジョージが蒸溜所を購入しました。

 

当初はジョン・スミスにリースしていましたが、彼が1870年になってクラガンモア蒸溜所を設立したため、自分たちで蒸溜所の運営を始めます。

 

それ以来、グレンファークラスは数少ない家族経営による蒸留所として、伝統の方法を守り続けています。

ベン・ネビス山の画像
Ben Nevis ベン・ネビス

自らの個性を尊重する伝統の家族経営スタイル

現在のアルコール生産能力は年間350万リットルと大規模な生産量ですが、他の業者に樽を売らないため、ブレンデッドのキーモルトやボトラーズには使われていません。

 

業界オブザーバーや専門家たちが同ファミリーの経営方針を時代遅れとか、無駄が多いなどといった意見をすることもあるようですが、断固とした独立経営で耳を貸すこともないのだとか。

 

ちなみに、すぐ近くにグレンフィディック蒸溜所があります。こちらも同姓のグラント家で家族経営を貫くスタイルですが、同じ家族ではありません。

グレンファークラス12年の風味の特徴を生み出す水

グレンファークラス蒸溜所はベンリネス山の麓にある蒸留所です。ちなみに、蒸溜所の紹介ではベンリネスという呼び方ですが、ベンリネスは英語ではベン・ネビス(Ben Nevis)。

 

スコットランド文化が日本語に訳されたとき、このように二通りの読み方で紹介されることが多々あり、歴史の古い蒸留所周辺では表記が混在しているのがよく見られます。

 

ベンリネス山は地元住民や登山家には「ザ・ベン」として知られていて、登山者は年間10万人。

 

高さ700mを誇る北壁は多くのクライマーや登山家に人気で、幅広い難易度のスクランブリング(ザイルを使わず頂上を目指すスポーツ)やロッククライミングルートもあるんですね。

 

ヒースに覆われているベンリネスは秋には紫色となり、冬の雪解け水がピート(泥炭)層を通り抜けて、花崗岩の下へ深く浸み込みます。

 

その雪解け水はグレンファークラス蒸留所でウイスキーの仕込み水に使われます。