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フェッターケイアンの種類・フィオールやオフィシャル12年の特徴

フェッターケイアン蒸留所の特徴

「フェッターケイアン(Fettercairn)」はスコットランド・東ハイランドにあるフェッターケイアン蒸留所が造っているシングルモルトウイスキーです。

 

所有するのはフィリピンのエンペラドール社で、ブレンデッドウイスキーのホワイト&マッカイのキーモルトとして知られています。一般的な知名度はもうひとつですが、オフィシャルボトルもリリースされています。

 

フェッターケイアンはフェッターケーンとも呼ばれる村の名前。ゲール語とピクト語が由来で「茂みによる斜面」を意味します。

 

仕込み水は背後にあるケアンゴルム山の湧き水。ポットスチルは初留、再留釜の計4基。再留釜のネック部分にクーリング装置が付いているのが特徴で、ネックに冷水をシャワーのようにかける珍しい仕組みなんですね。

 

フェッターケイアン蒸留所の画像
フェッターケイアン蒸留所
photo credit: MacP2007 Fettercairn Distillery via photopin (license)

旧名はオールド・フェッターケアン

かつては「オールド・フェッターケアン」と呼ばれ、フェッターケイアン12年が同蒸留所のスタンダード商品として販売されていました。

 

オールドボトルは隠れた人気があり、希少ながら通販では記事アップ日時点の価格ですが、12年が8,000円台から1万円くらいと現行品と大差ない価格で購入できます。

フィオール・12年の価格と特徴

「フェッターケイアンフィオール(Fettercairn Fior)」は2010年夏にリリースされたノンエイジ銘柄で、世界9000本のみの限定品です。

 

フィオールとはPURE(純粋)・TRUE(真実)という意味を持つゲール語からきています。アルコール度数42度・700mlで、最安値(税込)は記事アップ日時点の価格で5,500円ほど。

 

シェリー樽とバーボン樽のファーストフィルで熟成させた15年熟成原酒60%、14年熟成原酒25%と、ヘビーピートの5年熟成原酒15%がブレンドされています。

実際の価値より非常に低い価格でリリースされたという宣伝文句を目にしますが、たしかに15年と14年だけで全体の85%を占めながら12年より安いのでお買い得です。麦芽のバニラの香りの後に、コクのあるナッツのような風味が楽しめます。

 

フェッターケイアン12年(Fettercairn Aged 12 Years)はアルコール度数40度・700mlで、白ラベルにブルーのラインが入ったオフィシャルボトルの最安値(税込)は記事アップ日時点の価格で7,800円ほど。

28年や30年が濃厚さで人気

オフィシャルボトルは今日現在、流通は希少のようです。ボトラーからは8年・28年・30年など年数もいろいろな熟成ボトルが販売されていますが、ハンターレイン社のオールドモルトカスク(50度・700ml)に12年があります。

 

ちなみに、長期熟成させた28年・30年のフェッターケアンは独特の濃厚さからとくに人気です。

フェッターケイアン蒸留所の歴史

フェッターケイアン蒸留所はヴィクトリア女王の時代に首相を輩出したグラッドストーン家の敷地内にあります。

 

1824年にアレクサンダー・ラムゼイ氏が創業しました。フェッターケイアンのオフィシャルボトルのシンボルはアーチとユニコーンなんですね。

 

ユニコーンはスコットランド王だったロバート3世の治世以来、スコットランドの象徴と呼ばれてきました。

 

純粋さと強さを表すと言われていて、創業したラムゼイ家の紋章でもあったんですね。

 

アーチは1861年にビクトリア女王とプリンスアルバートによる訪問を記念して建てられたのを由来としています。

 

町への入り口を支配するという意味があるようですね。まわりは農業開発の進んだ地域で、大麦をはじめとする一大穀物倉地帯。ウイスキー業界を支配する野望があったのでしょうか。