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エシカルスピリッツの高級ジンLAST EPISODEの価格と味評価

エシカルスピリッツジンLAST EPISODEの特徴・味評価・価格

ジャパニーズジンのエシカルジン「LAST EPISODE 0 MODEST(モデスト)」と「LAST EPISODE 0 ELEGANT(エレガント)」をテイスティングしてみました。あくまでも個人的な感想ですが、風味評価や価格を紹介します。

 

製造・販売しているのはエシカルスピリッツ株式会社。同社は2021年2月より東京都蔵前に世界初のエシカル生産(エシカルの意味は後述)及び消費に特化した再生型蒸留所「東京リバーサイド蒸溜所」を稼働させました。

 

一般的なジンの蒸留所はほかの蒸留所で製造されたグレーンスピリッツ(ベーススピリッツ)を購入して、そこにジュニパーベリーを基本とした独自のボタニカルを加えて蒸留、ジンを製造するというものですね。

 

エシカルジン・モデストの画像
※エシカルスピリッツ株式会社よりお借りした画像を掲載しています

 

エシカルスピリッツではグレーンスピリッツを独自に製造しています。

 

世界初の循環型「エシカルジンプロジェクト」の理念に基づいて、原料に使われるのは日本酒造りの過程で廃棄された酒粕や賞味期限の近づいたビール。

 

お酒や酒粕などの特性を徹底的に研究したベーススピリッツで、オリジナルの味わい深いジンを作り出しています。

エシカルジンのベーススピリッツは酒粕を使った粕取り焼酎

エシカルスピリッツの「循環型サイクル」の理念による最初のプロジェクトが、「飲む香水」がテーマの酒粕を使ったエシカルジン「LAST EPISODE 0」シリーズ。

 

第1弾が「MODEST(モデスト)」、第2弾が「ELEGANT(エレガント)」です。

 

日本酒造りの過程でできる醪(もろみ)を搾ったあとに残るのが酒粕ですが、この酒粕を原料に造られる焼酎「粕取り焼酎」が使われているんですね。

酒粕にはお米や酵母の旨味成分や栄養分が豊富に含まれているため、粕汁などの料理や美容成分を活かした化粧品でもおなじみです。

 

「LAST EPISODE 0」シリーズでは鳥取県に構える酒蔵「千代むすび酒造」の粕取り焼酎がベーススピリッツとして使われています。

権威ある品評会で注目・ゴールドとシルバーを受賞

英国の「The Spirits Business」誌が主催する「The Gin Masters」は、世界でもっとも権威ある品評会のひとつです。

 

エシカルスピリッツのエシカルジンはこの品評会において「MODEST」がゴールド、「ELEGANT」がシルバーを受賞して注目されました。

「LAST EPISODE 0 -MODEST-」の特徴

「LAST EPISODE 0 -MODEST-」の特徴は、オーソドックスなジュニパーベリーの効いたロンドンドライジンスタイルのしっかりとした味わいであること。

 

「千代むすび酒造」の粕取り焼酎をベーススピリッツに、原材料はジュニパーベリー、生姜、コリアンダーシード、レモン、アンジェリカ、シナモン。

 

ジンの好きな方ならロンドンドライジンの王道と言える原材料だとすぐにわかりますね。

 

エシカルジンのボタニカルの画像

MODEST(モデスト)をテイスティング、風味評価は

開栓すると、ジュニパーの香りがスパイスに包まれて立ち上り、あとから甘い香りが追いかけてきます。

 

ストレートで飲んでみると、ジュニパーベリーと生姜を基本にした味わいが印象的で、クセのないベーススピリッツに乗って口から鼻に香りが抜けていきます。

 

雪のように消える、ふわっとした感覚で楽しめるのが酒粕由来の軽快さでしょうか。後からシナモンの風味やジン独特のパンチがピリッときます。

 

粕取り焼酎にはまったくクセはなく、土台を控え目に支えてボタニカルを引き立てています。43度とは思えない飲みやすさと後味の心地よさがありますね。

MODESTのおいしい飲み方・価格

甘くないロンドンドライジンの好きな方にはおそらく高評価でしょう。

 

ソーダで割ってみましたが、ストレートやロックで感じる味わいの印象は薄くなりますから、なるべく濃いめがおすすめです。

 

つまみは風味を楽しむなら和食ですね。薄味の煮物、冷奴、パセリ、ケール、セロリなどの香味野菜系、甘味控え目の水ようかんなどが向いていると感じました。

 

「LAST EPISODE 0 -MODEST-」は43度・375ml。大手通販では扱っている販売店が少ないようですが、価格は2021年3月3日の時点で税込3,300円。

 

通常のジンの半分の容量でこの価格という高級ジンですが、このクラスのジンを飲むと下のクラスのジンには手が伸びなくなってしまうのが怖いところ。

 

飲む量よりも質で満足できるクラフトジンです。

「LAST EPISODE 0 -ELEGANT-」の特徴

「LAST EPISODE 0 -ELEGANT-」の特徴は、ロンドンドライジンスタイルのモデストと趣が違い、複数のボタニカルの組み合わせで華やかなフレーバーを追求していることです。

 

ベーススピリッツはモデストと同じ鳥取県の酒蔵「千代むすび酒造」の粕取り焼酎。

 

ボタニカルはジュニパーベリー、ハイビスカスティー(ローゼル)、ピンクペッパー、コリアンダーシード、ラベンダー、カルダモン、生姜、シナモン、カフィアライムリーフ、花椒。

 

ピンクペッパーはペッパーの名がついていますが胡椒とは違います。一般的にウルシ科のコショウボクと呼ばれる植物の果実を乾燥させたもので、刺激的な辛味がほとんどありません。

 

華やかで甘美な香りがすることから、冷菜の仕上げやスイーツに使えます。ちなみに、ピンクペッパーを使ったジンには「ローンウルフジン」もあります。

ELEGANT(エレガント)をテイスティング、風味評価は

「LAST EPISODE 0 -ELEGANT-」をテイスティング。開栓すると、ジュニパーの香りにさらにフローラルな香りが漂い、まさに上品な香水のようです。

 

香りだけではやや人工的な印象もありますが、口にしてみるとハイビスカス、ピンクペッパー、ラベンダーが上品にブレンドされているのがわかります。

 

南国を感じさせる味わいですが、しつこさはありません。麻婆豆腐に使われる花椒も入っていますが、個性が強い素材だけに主張は抑えめに設計されていると感じました。

 

甘みも抑え気味で上品。飲んだあとの口の中の香味がさわやかです。

 

ロンドンドライジンスタイルのモデストに比べると、ジュニパーベリーや生姜の魅力がフローラル感のうしろにまわっている印象があるので、フレーバードジンの個性を楽しむ目的で飲みましょう。

 

ピンクペッパーの画像
Pink pepper ピンクペッパー

ELEGANTのおいしい飲み方・価格

まずはストレートで持ち味の魅力を堪能してから、ロックやソーダ割りでどうぞ。

 

香りと風味をこわさない飲み方なら、つまみは繊細な和食、あるいは濃いめのソーダ割りで揚げ物などといっしょに口の中をすっきりさせながら飲むというスタイルでしょうか。

 

いずれにしても香りの個性が強いので、飲み続けるジンではなく、飲み始めの数杯におすすめというタイプでしょうか。

 

乾杯のシャンパン代わりに、みんなで最初の一杯というのもいいかもしれませんね。

 

「LAST  EPISODE 0 -ELEGANT-」は47度・375ml。価格は2021年3月3日の時点で税込3,300円です。

 

大手通販では扱っている販売店が少ないようなので、同社ホームページを紹介します。

エシカルとは?意味やエコ、ロハスとの違い

エシカルスピリッツのエシカル(Ethical)とは、直訳では「倫理的な」という意味です。

 

英語圏では環境や社会に配慮することを表す言葉として使われ、日本でもファッション、ジュエリー、消費活動などのライフスタイルにこの考え方が持ち込まれるようになりました。

 

これまではエコ、ロハスとよく言われましたが、エコは環境問題に配慮したうえでの豊かな生活、ロハス(LOHAS)は人にも環境にもやさしい、健康的で持続可能なライフスタイルだったりしました。

 

エシカルはこれよりもっと踏み込んだ理念と言えるものです。たとえば、製造に関わる自然環境やすべての人、物が幸せであること。

 

自然環境に負荷をかけない素材、開発過程で動物実験をしない、フェアトレードの実施、適正な労働賃金など、倫理的な社会貢献度も高い次元を目指しているんですね。

 

とはいえ、一部の企業では明確な定義をせず、実態をともなわない宣伝・集客文句として使っている場合もあるので、消費者は企業の姿勢をしっかりと見て判断していく必要がありそうです。

 

循環型でムダをなくすと同時においしいジンを造るエシカルスピリッツに、今後期待したいと思います。