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カナディアンウイスキーの種類と特徴の違い、おすすめ銘柄とは

カナディアンウイスキーの特徴と定義

カナディアンウイスキーはもともとライムギを原料としたものが主流でしたが、1850年代の連続式蒸留機の導入があったり、トウモロコシなども原料として使われたりする時代を経て、製造法や風味は昔と変化しています。

 

その変化したあたりからカナディアンウイスキーの基礎が確立されたと言われていて、現代ではカナディアンウイスキーの定義が同国の法律で定められています。

 

カナダ国内で製造されるウイスキーというのが大前提で、さらに以下の条件に沿っていないと、カナディアンウイスキーを名乗れません。

 

1.穀物を原料に、麦芽などの糖化、酵母などで発酵し、蒸留したもの

2.700リットル以下の木樽で3年以上熟成させること

3.アルコール度数40%以上で瓶詰めすること

 

Rye ライ麦
Rye ライ麦

2種類のウイスキーがブレンドされて完成

カナディアンウィスキーではおもにトウモロコシ、ライ麦、大麦麦芽が原料として使われます。スコッチのモルトとグレーンのブレンデッドと似ていて、2系統のウィスキーが造られます。

 

原料がトウモロコシが主体の蒸留酒と、麦類主体の蒸留酒を別々に造って3年以上熟成。ボトリングのときに混ぜ合わせるという製造法です。

 

ちなみに、代表的な銘柄である「カナディアンクラブ」では両者をブレンド後に熟成させるという手順をとっています。いずれにしろ、これで香味のバランスを調整しているわけですね。

 

トウモロコシを原料とした蒸留酒は一般的に個性のない土台として用いられるため、カナダではベースウイスキーと呼ばれます。

 

麦類を原料とした蒸留酒は香りなどの個性が強く、フレーバリングウイスキーと呼ばれます。

クセのないベースウイスキーの比率が多いため、飲みやすく

両者のブレンド比率は一般的にベースウイスキーが全体の9割前後と圧倒的なため、個性が抑えてある分、飲みやすくなります。

 

もちろん、ブレンド比率は各銘柄ごとに違うので、フレーバリングウイスキーの比率が高いものもあります。

 

ちなみに、カラメルまたはフレーバリングの添加が認められていて、スピリッツやワイン以外に酒精強化ワイン(シェリー酒やポートワインなど)やバーボン、フルーツブランデーなどが添加されることもありますが、こちらは本物指向の方からは敬遠されがちですね。

 

ウイスキーにシナモンやジンジャーなどのスパイスを加えたスパイスウイスキーなどもあり、カナディアンウィスキーはフレーバーの多様さという点ではとても個性的なウイスキーと言えます。

おすすめ伝統銘柄と新鋭銘柄、価格高騰もなく今がチャンス

銘柄

通販販売店の

相場価格(税込)

 カナディアンクラブ12年

(40度・700ml)

1,600円前後

 カナディアンクラブ

(40度・700ml)

1,000円前後

 クラウンローヤル

(40度・750ml)

1,800円前後

 アルバータプレミアム

(40度・750ml)

 1,700円前後

 

おすすめ銘柄としては代表的なカナディアンクラブ。(あくまで個人的な感想ですが)雑味が多く感じられるノンエイジよりも、価格もそう違わないクラシック12年のほうがおすすめです。

 

そのほかに、伝統のカナディアンウイスキーとして「クラウンローヤル」があります。

 

1939年、イギリス国王として初めてカナダを訪問したジョージ6世への献上酒として誕生した銘柄で、価格のわりにはクセがなく、コク・香りのバランスもよくできています。袋に入っているので、袋も日常使用に使えます。

近年、注目されている銘柄では「アルバータプレミアム」。ベースウイスキーにもフレーバリングウイスキーにも100%ライ麦だけを使っているのが特徴です。

 

コルトがかかるため、ほかではやっていない製造法です。さらに新樽、古樽を使い分けた熟成法により、強烈なライの主張がなく洗練されているため、地元アルバータ州でも売り上げトップクラスの人気です。

 

今のところ、スコッチのように価格が高騰していないので、お試ししやすいのがカナディアンウイスキーのいいところです。