ブルックラディ ザ・クラシックラディ 130年の風味を伝える蒸留所

ブルックラディ ザ・クラシック・ラディ 甦ったアイラ島の蒸留所

「ブルックラディ ザ・クラシック・ラディ(Bruichladdich The Classic Laddie)」はスコットランド・アイラ島でもいちばん西側に位置するブルックラディ蒸留所が造っているシングルモルトウイスキーです。

 

旧名称「スコティッシュ バーレイ」からボトル名が変わっています。また、蒸留所名が「ブリックラディ」「ブルイックラディ」と紹介されることもありますが、発音からいえば表示名のブルックラディというのが正しいようですね。

 

ブルックラディ蒸留所は1881年にハーベイ兄弟により設立された蒸留所。その後、オーナーがインバーゴードン、JBB社(現ホワイト&マッカイ社)と変わりながら操業停止、再開をくりかえします。

 

ブルックラディ蒸留所のポットスチル
ブルックラディ蒸留所のポットスチル
photo credit: sebastian.b. Bruichladdich via photopin (license)

旧名称「スコティッシュ バーレイ」はスコットランド大麦100%の意味

1994年に閉鎖されたあと、2001年5月に蒸留所の閉鎖を惜しむ有志が集まって再開を目指すことになりました。

 

その中で責任者となったのが、同じアイラ島にあるボウモア蒸溜所のブランドアンバサダー(企業からの依頼で企業やブランドに対して好意的な発信や宣伝、PRを行う人)を務めていたジム・マッキュワン氏。

 

JBB社からの買収後、彼は強いこだわりでブルックラディ蒸留所を再建させます。まず、アイラ島でそれまで作られていなかった、ウイスキー向け品種の大麦の生産を地元農家に依頼します。

 

スコットランド産大麦100%ということですね。これは旧名称「スコティッシュ バーレイ(大麦)」の由来にもなりました。

特徴1・アイラモルト特有のピート香が薄い

アイラ島といえば、原材料の麦芽をピート(泥炭)で焚く量が多く、強いスモーキー感のあるシングルモルトが主流ですが、この「ブルックラディ ザ・クラシック・ラディ」に関してはピートが微量にとどめられているのが特徴です。

 

さらに、仕込み水にはアイラ島の湧水を使用。この水は他のアイラ島の蒸留所で使っている水よりもピート香や色が薄い特徴があり、それがこの銘柄の風味の特徴にも現れています。

 

特徴2・創業当時の設備「ヴィクトリア調」へのこだわり

また、ブルックラディ蒸留所ではコンピューターや自動機器を一切使用せず、もともと設置されていたマッシュタン(糖化作業を行う仕込槽)やポットスチルをいまだに使い続けています。

 

設立時といえばヴィクトリア女王がイギリスを統治していた1837年から1901年の期間になります。スチームパンクの時代背景としても有名ですね。そのため、「ビクトリアンスタイル」や「ヴィクトリア調」と呼ばれています。

 

ポットスチルはアイラ島の中でも特に細くて長い、小ぶりのストレートヘッド型4基。手動調整をしながらウイスキーの蒸留は時間をかけてゆっくりと行われます。

 

冷却濾過やカラメル着色は一切行わず、海岸沿いのロッホ・インダールの倉庫で熟成されます。

 

美しく目を引く水色のボトル
美しく目を引く水色のボトル

アイラモルトでもスペイサイドモルトのような爽やかさ

仕込み水のピート香や色の薄さ、ビクトリアンスタイルのマッシュタン・ポットスチルなどによって、「ブルックラディ ザ・クラシック・ラディ」はアイラモルトの中でもアイラ独特のヨード臭や潮の香りは弱く、エレガントで洗練された味わいとなっています。

 

グレンフィディックなどのスペイサイドモルトのようなさわやかさがあり、クセがないのでワイン愛好家でも楽しめるウイスキーと言われます。

 

テイスティングレビューと価格

ブルックラディ ザ・クラシック・ラディはアルコール度数50度・700mlで、相場価格は安い販売店でも4,600円(税込)ほど。

 

一般的な評価はアルコール度が高いために、辛みやボディの強さをダイレクトに感じる方もいるようですが、好きな方からは「(ほめ言葉として)この値段で飲める味じゃないです」「本当にアイラ?と思うほどマイルド」「水色の瓶が綺麗」「アードベッグのウーガダールに近い」「後味すっきり、うっすらスモーキー、甘い味が広がります」など、高く評価するテイスティングレビューが見られます。

 

現在、オーナーはレミーコアントロー社に変わりましたが、製造法は継続されています。アイラモルトらしさは薄いものの、ノンエイジながらしっかりと存在感のある、さわやかなボトルです。ほかのアイラモルトと比較してみてくださいね。