ボウモア ナンバーワンと12年との違いは樽の種類
「ボウモア ナンバーワン(Bowmore No.1)シングル モルトウイスキー」とスタンダード12年との違い、風味の特徵や一般的なレビューの評価などを解説します。
ボウモアには熟成期間別に12年・15年・18年・25年」がありますが、ナンバーワンは熟成表示のない、いわゆるノンエイジのボトルです。
熟成期間が若干若くなりますが、そこで工夫されているのはスタンダードと樽の種類を変えていること。
![ボウモア水源ラガン川の画像](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/scdc847a1e0eae9fc/image/i78a91e99d7e91ec4/version/1607042306/%E3%83%9C%E3%82%A6%E3%83%A2%E3%82%A2%E6%B0%B4%E6%BA%90%E3%83%A9%E3%82%AC%E3%83%B3%E5%B7%9D%E3%81%AE%E7%94%BB%E5%83%8F.jpg)
特徴はバーボン樽100%の酸味とヴァニラ系の風味
スタンダードでは主体となる樽はホワイトオークのバーボン樽とスパニッシュオークのシェリー樽の2種。バーボン樽70%、シェリー樽30%の比率。
ナンバーワンではその比率を変えて、バーボン樽原酒のみ100%。それも、熟成に使用されて最初に使われるファーストフィルの樽で熟成されています。
そのため、ボウモアの個性である潮気とアメリカンオーク由来のスモーク香、さらにフローラルで甘いヴァニラの香りが溶けあった仕上がりになっています。
テイスティングレビューと価格
「ボウモア ナンバーワン」はスコットランド・アイラ島のボウモア蒸溜所(ビーム サントリー保有)が造っているアルコール度数40度・700mlのシングルモルトウイスキー。
あくまでも記事アップ日の最安値価格ですが2,900円(税込)ほど、旧ボトルでは1万5,000円ほどです。
現行品の一般的な評価はアイラモルトならではのピートが控えめなので、それなりの強さを求める人にはパンチが無いといった印象になるようですね。
とはいえ、高い評価をしているレビューには「12年よりも角が取れた優しい仕上がり」「マイルドなテイストで、どちらかというとラフロイグに近い感じ」「香木の様な香り複雑な味わいが控え目に存在」「ロックでは甘みが引き立つ」などが見られます。
コストパフォーマンスという意味でもこの値段なら妥当、という感想が多いですね。
![ボウモア蒸溜所の画像](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/scdc847a1e0eae9fc/image/ic8ec7cf1a799f4ed/version/1607042458/%E3%83%9C%E3%82%A6%E3%83%A2%E3%82%A2%E8%92%B8%E6%BA%9C%E6%89%80%E3%81%AE%E7%94%BB%E5%83%8F.jpg)
ナンバーワンとは貯蔵庫に由来した命名
「ナンバーワン」とはスコッチのモルトウイスキー蒸溜所で最も古い歴史を持つ第1貯蔵庫(No.1 Vaults)に由来しています。
この貯蔵庫は波打ち際の岩盤を削り取った海抜0メートルにあり、半地下の庫内では床が海面よりも低く、天候によっては外壁に大西洋の波しぶきが打ちつけます。
そのため、いつも海水のアロマに満たされた環境で、樽の中のモルト原酒は呼吸し続けて熟成していくんですね。
さらに、仕込水もラガン川を水源とする良質の軟水で、ピート層をくぐり抜けて湧くというアイラ島ならでは特徴的なもの。
![ボウモア12年・15年・18年の画像](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/scdc847a1e0eae9fc/image/ie3059978476bf8b2/version/1607042532/%E3%83%9C%E3%82%A6%E3%83%A2%E3%82%A212%E5%B9%B4-15%E5%B9%B4-18%E5%B9%B4%E3%81%AE%E7%94%BB%E5%83%8F.jpg)
潮風が浸みたピート(泥炭)、フロアモルティングルームなど、あらゆる工程で海という自然環境の影響が色濃く出ています。
これがボウモアならではの潮気を生み出すんですね。 とはいえ、「ボウモア ナンバーワン」はピート感はきつくなく、アクセントとして効いているという程度。
香り高い潮味と上品さのあるボウモアは、アイラモルトが初めてという方には風味も価格的にも試しやすいボトルです。