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ベルオリジナル ウイスキーのキーモルトやユニオンジャックラベルなど

「ベル オリジナル(Bell's)」はイギリスのアーサー・ベル&サンズ社が造っているブレンデッドウイスキー。イギリスでもっとも売れているスコッチのひとつです。

 

アーサー・ベル&サンズ社の前身はスコットランドのハイランドとローランドのほぼ境界線上にある街、バースで1825年に創業したトーマス・サンデマンという酒商でした。

 

1840年にアーサー・ベルはこの会社に紅茶とウィスキーの営業マンとして入社。1845年には共同経営者となります。その後、それまで禁止されていたウイスキーのブレンドが可能になるとブレンディングを始め、名ブレンダーとして才能を発揮するようになります。

 

Bell's ベル オリジナル
Bell's ベル オリジナル

 

スコットランド各地を回り、1850年代には数種類のウィスキーをブレンドし、オリジナルブレンドが誕生します。

 

熟成された品質の高い原酒によるブレンドにこだわりながら、長い間ブランド名もつけず、宣伝も行わなかったとか。「品質をして語らしめる」というポリシーゆえだったんですね。

 

その後、彼の二人の息子が加わり、現在のアーサー・ベル&サンズ社(Arthur Bell & Sons)となります。ベルズの名で初めて売り出したのは息子のアーサー・キンモンド(通称A.K.)の時代で、1904年に同社のスタンダード商品となる「ベル・エクストラ・スペシャル」が発売されました。

その後、現在の赤いネック・ラベルのところにある文字「Afore ye go」のついたボトルが初めてリリースされたのが1925年。

 

「Afore ye go」とは聖書の「汝ら、いざ進め」という意味で、アーサー・ベルが乾杯の際によく使った言葉とされます。

 

ベルのウイスキーは世界大戦の際、戦地に赴く兵士たちにも届けられました。また、ウエディングベルを連想させることから、イギリスでは結婚式などの門出を祝うお酒としても知られています。

 

Journey of life 人生の旅立ちにウイスキー
Journey of life 人生の旅立ちにウイスキー

 

同社のキャッチフレーズでは「旅立ちの前に」という現代的な解釈で使われます。

 

その後、アメリカの禁酒法が終わった1933年。同社はハイランド地方のブレアソール蒸溜所(Blair Athol)、スペイサイドのダフタウン蒸溜所(Dufftown)、1936年にはスペイサイドのインチガワー蒸溜所(Inchgower)を買収します。

 

これによって「ベル オリジナル」のキーモルトは、ブレアソールを中心にインチガワー、ダフタウンといった自社のウイスキーをメインとして、数十種類のウイスキーをブレンドして作られるようになります。

1985年にはスコッチ業界最大手のモンスター企業と呼ばれるディアジオ社(当時のユナイテッドディスティラーズ&ヴィントナーズ社)に買収されますが、蒸留所が大きく変更になることもなく、伝統のレシピは守られています。

 

ちなみに、「ベル オリジナル」には「ユニオンジャックラベル版」もあります。日本で多く流通しているベルは並行品で、ユニオンジャック版は正規輸入代理店経由なので価格がちょっと高くなるようですが、中身は同じもの。

 

アーサー・ベルさんが真ん中に立っているのも同じですが、ユニオンジャックのデザインが派手でとても目立つラベルなので、話題性からこちらを購入される人も多いですね。

 

Bell ベル
Bell ベル

 

「ベル オリジナル」は40度・700mlで、価格は最安値で1,000円前後。「ユニオンジャックラベル」の価格は1,000円ほど高くなっています。本国では税金の関係から日本ほど安く購入できないとか。

 

「ベル オリジナル」は低価格でありながら、ウイスキー通の人でも比較的高い評価をする銘柄です。

 

一般的な評価でも「甘さ控えめでちょっとビターな味わい」「スッキリした飲み口」「スモーキー具合も程よく飲みやすい」というように、ピート香とビターな風味が気にいる人が多いようです。一度お試しくださいね。