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ロボットにも勝つ?人間バーテンダーのシェイカーテクニック

バーテンダーのロボットも不可能?伝説のシェイカーテクニック

バーテンダーのロボットがつくるカクテルがパフォーマンスとして話題になっています。「バイオニックバー(Bionic Bar)」というもので、豪華客船「クァンタム・オブ・ザ・シーズ(Ovation of the Seas)」やラスベガスのホテルで稼働中なんですね。

 

これまでに100万杯、日によっては1晩で800杯のカクテルを作っているとか。複雑な動きができるようになれば、ショーとしてもおもしろいでしょうね。

 

私のいたBarはオーセンティックバーではありませんが、どちらかといえば落ち着いたバーだったので、フレアバーテンディング(Flair Bartending)のパフォーマンスはしていませんでした。

 

フレアバーテンディングとはバーテンダーがボトルやシェーカー、グラスなどを使って曲芸風にカクテルを作るスタイルですが、私のバーでも独特のパフォーマンスをやっていた方はいたようです。先輩からある伝説のパフォーマンスを聞いたことがあります。

 

シェイカー画像

だれも真似できないフレアバーテンディングのスキル

使うのはふつうサイズのシェーカーのみ。シェークする前のパフォーマンスです。シェーカーを左手に持ち、45度くらいに腕を高く掲げて手を離します。そのまま自分の左腕→背中(首付近)→右腕を滑らせて右手で受け取ります。

 

当然ながら、何度やっても左腕をすべりきらないうちに落としてしまい、私も含めてだれも真似できない技でした。試しにやってみたい方は布団などを敷いて空のシェイカーを使ってやってみてくださいね(笑)。

 

ほかの先輩たちがその技を身に着けようとして何度も床に落としたと思われる、練習用のシェイカーが店内にありましたが、ボディがボコボコで使い物になりませんでした。

 

ちなみに、ボコボコになったシェーカーを使うとどうなると思いますか。隙間から空気が入ってしまうので、ムリにシェークしたとたん、ボコッ!と中身が爆発します。

 

ほかのシェーカーを洗うヒマがないほど忙しいとき、私は何度か使っていたので経験済みです。女性のお客様の目の前で爆発させてしまい、悲鳴があがったこともありました(笑)。

 

カクテルを作るバーテンダー

「チャラい」印象を感じさせるまでやってはいけない

パフォーマンス好きな男性のバーテンダーは、少なからず女性客にウケたい心理はあると思います。私も正直、ちょっとだけ意識しました。

 

8の字を描くように振る、ハードに振る、オーソドックスパターン、あえて地味に目立たずのパターンなど、何通りかの振り方を使いました。とくにひとつのカクテルでシェイカーを2度使うときには、意識して振り方を変えました。

 

ただし、やりすぎると「チャラい」印象になりかねません。目の前のお客様が喜んでも、ほかの方が不快な思いをするようでは意味がないですよね。

 

派手めのパフォーマンスをやるのは店がヒマなときで、常連さんのいらっしゃるときが多かったと思います。

地味でもマネしやすいテクニック

私の数少ないパフォーマンスのひとつに、地味な技ではありますが、師匠から教えていただいたバー・スプーン(Bar Spoon)まわしがあります。

 

バーテンダーを辞めてからも宅飲みでカクテルを作るときにやってみせたりします。バー・スプーンは中央付近が螺旋状にねじれている、柄の長いスプーンで反対側にフォークが付いています。

 

カクテル画像

 

スプーンはお酒をステアするときに使い、フォークは果物の盛り付けなどに使います。ちなみに、ドライ・マティーニで使うオリーブは瓶に入っていますから、これを使うと取り出すときに便利です。

 

私が教えていただいたバー・スプーンの使い方はロングドリンクをつくるときにスプーンでチェリーをドリンクに載せたら、指のあいだをくるくるまわして反対側のフォークのほうでレモンスライスをひっかけてまた載せます。

 

そして、またくるくるまわして所定の場所(水を張ったミキシンググラス)に置くわけですね。遊びの動作が多すぎるので、時間のムダ(笑)。ヒマなときだけの限定です。

 

落とすと恥ずかしいのでひそかに練習したものです。ちなみに、シェイカーの練習は小さなマッチ箱(売っていれば)が便利です。マッチが箱の中でカシャカシャと鳴るので、リズム感も磨けます。

 

今回はテクニックとパフォーマンスのお話を書きましたが、本来のバーテンダーのあり方からいえばプラスアルファの領域だと思います。

 

その店なりの心地良い空間を演出して、おいしいお酒を提供するのが本来の役割ですからね。