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アバフェルディ12年の特徴と評価・21年や花と動物、コニサーズなど

アバフェルディ12年の特徴と評価・21年や花と動物、コニサーズなど

アバフェルディ12年の特徴と評価や、21年などの熟成ボトル、花と動物シリーズ、コニサーズチョイスなどの種類について解説します。

 

「アバフェルディ12年(Aberfeldy 12 Years Old)」はスコットランドのハイランド地域にあるアバフェルディ蒸溜所が造っているシングルモルトウイスキーです。

 

ブレンデッドウイスキー「デュワーズ」のキーモルトとしても有名です。

 

アバフェルディ蒸溜所
アバフェルディ蒸溜所
photo credit: MajiksBox - resting Dewars via photopin (license)

アバフェルディ蒸留所の特徴と12年

アバフェルディ蒸留所では蒸留所の脇を流れるピティリー川の水を仕込み水に使っています。

 

品質を守るために3マイル上流の水源から採取される水は、砂金沈着物を含む硬水。

 

発酵ではシベリア・カラマツ製木桶8機とステンレス製2機の発酵槽を使い分けています。

 

一般的にステンレス製より木製のほうが酵母が住みつきやすく、複雑で厚みのあるウイスキーの味わいが出ると言われます。

 

いっぽう、ステンレス槽ではクリーンですっきりした味わいが生まれるとか。

 

また、アバフェルディ蒸留所では通常より長い時間をかけて発酵させていますが、長時間醗酵させたもろみは酸味が強い特徴が出るんですね。

ポットスチルは大型のストレートヘッドで初留釜2機、再留釜2機。現在のアルコール生産能力は年間350万リットル。

 

とはいえ、アバフェルディのモルトのほとんどはブレンデッドウイスキーに使われるため、シングルモルトとしては稀少です。

 

蒸留施設は「ウォータールー・ストリートスタイル」と呼ばれる様式。グラスゴーにある通りの名前に由来するそうです。

 

蒸留器のある外壁が窓になっていて(冒頭の画像参照)、この窓を開放することで換気ができる仕組みです。

アバフェルディの在庫は12年・16年・18年・21年、価格は?

アバフェルディの熟成ボトルでは今回紹介する12年のほかに16年、18年、21年、25年、28年などがあります。

 

記事をアップした2020年9月8日現在、大手通販で在庫が確認できるのは21年までのようですね。

 

9月8日現在での最安値価格ですが、こちらに紹介しておきます。

アバフェルディの銘柄

通販販売店の価格(税込)

 12年

(40度・700ml)

3,200円ほど

16年

(40度・700ml)

8,000円ほど

 18年

(40度・700mlと750ml)

1万円ほど

21年

(40度・700ml)

14,000円ほど

希少銘柄ながら、21年物が14,000円ほどで購入できるのはお買い得です。

 

このほかにもタイミングによってはもっと安く購入できる場合もあるので、チェックしてみてください。

アバフェルディ12年の口コミ評価

一般的に人気の高いアバフェルディ12年の口コミ評価を調べてみました。一般的な評価からまずはマイナスを指摘する感想です。

 

「飲んだ後、甘苦い感じが残ってしまい、飲みやすいとは思えなかった。ある種、クセのあるスコッチ」

「後味に残る妙な甘苦さが耐えられなかった」

「本物の12年のシングルモルトなのか、疑問に思った。12年にしては風味が粗い(英国)」

 

支持するレビューは以下の通りです。

 

「ハイボールにも合う安くて美味しいシングルモルトを探していたが、これはバランスがとても良く飲みやすい」

「スモーキーとフルーティーの中間的な感じ」

「柔らかめで好みの味。クセは強くない。12年物では価格も手頃でふくよかさもある。立派なケースに入っているのでギフトにも向いている」

「甘いウイスキーのファンではないが、とても飲みやすい。蜂蜜と煙がほんの少しささやくマスクメロンの味(英国)」

「さわやかさの中にハニーバニラとキャラメルのアクセントが感じられる。チョコレート、オーク、スパイスがかなり良いフィニッシュ。良いウイスキーだが、最終的な決定は購入者次第(英国)」

 

美しい水の画像

 

マイナス評価のレビューには手厳しい感想もありますが、おそらく3,000円ウイスキーを飲み比べてみての個人的な印象の差なのかなと思います。

 

平均的な総合評価は大手通販でも平均して4以上といったところ。「デュワーズ」ファンならキーモルトとして抑えておきたいところですね。

 

おいしい飲み方のひとつとして、デュワーズのハイボールにキーモルトであるアバフェルディをフロートさせるという楽しみかたはどうでしょうか。

アバフェルディの種類・花と動物シリーズはUD社傘下時代

アバフェルディは熟成年数ボトルのほかに花と動物シリーズ、コニサーズチョイスなどがあるので、その歴史の流れを紹介します。

 

蒸留所は1896年、ピティリー蒸溜所兼醸造所の跡地に建てられますが、1925年には蒸留所を経営しているジョン・デュワー・アンド・サンズ社がDCL社(ディスティラーズ・カンパニー・リミテッド)により買収されます。

 

そのDCL社とベル社を買収して、ギネス社がつくったのがユナイテッド・ディスティラーズ(UD)社。のちに、ディアジオ社となる会社です。

 

そのような経緯から1991年にUD社が「花と動物(Flora & Fauna)」シリーズの1つとして、初めてオフィシャルボトルのアバフェルディをリリース。

 

今でも人気の高い銘柄ですが、オークションでなければ見つからないようですね。

GMコニサーズチョイスはボトラーズ物で人気銘柄

ジョン・デュワー・アンド・サンズ社は1998年にバカルディ社に買収されて、現在はバカルディ傘下となっています。

 

アバフェルディ12年はこのバカルディ社傘下になってからのリリースなんですね。

 

「アバフェルディGMコニサーズチョイス」も隠れた人気です。これはボトラーズのゴードン&マクファイル社から販売されているもので、シェリーホグスヘッドのファーストフィルやリフィル樽を使ったシリーズ。

 

希少ですが、まだ通販には在庫があります。

アバフェルディ蒸留所の特徴

アバフェルディという地名はゲール語に由来していますが、いくつか意味があって定説はっきりしていないようですね。

 

いずれにしても、蒸留所の脇を流れる「ピティリー川」に関連していて、キリスト教を伝道した「聖パルドックの河口」、この川に住む精霊「ペラクの河口」「水の神のプール」といった意味がついているようです。

 

ちなみに、アバフェルディはハリー・ポッターの作者、J・K・ローリングさんが住んでいることでも知られています。