· 

「ボルス ジュネヴァ」アメリカ・カクテル黄金時代のオランダジン

「ボルス ジュネヴァ(Bols Genever)」はオランダ・アムステルダムに蒸溜所をかまえるボルス(BOLS)社が製造しています。

 

ボルス(BOLS)社は現存する蒸留会社としては世界最古で、日本ではリキュールの幅広い製品を販売していることでもお馴染みですね。

 

1575年、同社はオランダ・アムステルダムに蒸溜所を設立してスピリッツの製造を開始。1652年に創業者の孫であるルーカス・ボルス(~1719)が誕生して、のちにボルス社を国際的な企業に育て上げていくことになります。

 

ジュネヴァのくわしい解説はこちら>>>「ジュネヴァ(Genever)」

 

amsterdam アムステルダム
amsterdam アムステルダム

 

1664年にオランダ産のスピリッツ「ジュネヴァ」の蒸溜を開始すると、イギリスで評判となり、オランダ商人によって世界中から持ち込まれる薬草や香草、フルーツを使って、スピリッツを数多く生み出していきます。

 

「ジュネヴァ」が同社のオリジナルレシピとして発売されたのは1820年のことでした。製法のベースとなったのは、創業者の孫であるルーカス・ボルスがかつて考案したレシピでした。

 

ちょうどそのころ、19世紀のアメリカにカクテル黄金時代が到来。19世紀半ばになると、リキュールは絶大な人気を誇るようになります。

当時、アメリカでバーテンダーとして名を成していたのが、ジェリー・トーマス(Jerry Thomas・1830~1885)という人物。

 

現代でもアメリカでは「モダンカクテルのパイオニア」「アメリカカクテルの父」と称されるほどの人です。

 

彼はアメリカ・ニューヨーク州北部のサケッツ・ハーバー(Sackets Harbor)という町に生まれ、現代でもバーでよく飲まれる「トム&ジェリー」を10代で考案。リキュールと他の酒を混ぜる「カクテル」のコンセプトを発展させていきました。

 

 

以後、全米各地のさまざまなホテルやサロン・バーのチーフ・バーテンダーなどを渡り歩いて、全米初の体系的なカクテルブック「How to Mix Drinks or the Bon Vivant's Companion」を出版。

 

当時の4分の1のカクテルにボルスのジュネヴァが使用されていたことが記されています。この本は現在でも入手できます。

 

ジェリー・トーマスの晩年は不遇だったようですが、彼のバーテンダーとしての華麗なパフォーマンスや輝かしい功績は現代でも色褪せることはありません。

 

 

「ボルス ジュネヴァ(Bols Genever)」は1820年当時のレシピを忠実に再現したもので、2008年より販売されました。かつて、ジェリー・トーマスが愛した味をいまでも楽しめるのがうれしいですね。

 

この「ボルス ジュネヴァ」をフランス・リムーザン地方の若木を使ったオーク樽で18ヶ月以上熟成させたのが「ボルス バレル エイジド ジュネヴァ(Bols Barrel Aged Genever)」です。次の記事で紹介します。