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ボビーズジン・インドネシアの東洋ハーブやスパイスで祖父のレシピ再現

ボビーズジン・インドネシアの東洋ハーブやスパイスに特化

「ボビーズジン(Bobby's Schiedam Dry Gin)」はオランダのスキーダムにある家族経営の老舗蒸留所、ハーマンヤンセン社で生産されています。

 

特徴はボタニカルがインドネシアの東洋ハーブやスパイスに特化されていること。基本となるジュニパーのほかは、レモングラス、シナモン、クローヴ、コリアンダー、ローズヒップ、フェンネル、キュベブペッパー(Cubeb pepper)となっているんですね。

 

キュベブペッパーはインドネシア原産のコショウ種で、ジャワ胡椒、ジャワペッパー、テール付きコショウ、クベバコショウとも呼ばれます。

 

Cubeb pepper キュベブペッパー
Cubeb pepper キュベブペッパー

風味の特徴・価格・レビューの評価

テール付きと言われるようにしっぽのような突起物があるのが特徴で、インドネシア料理では粉状にせず、原形のまま香辛料に使われます。松やにのような刺激的な香りと軽い苦みがあります。

 

ボビーズジンはこれらのボタニカル、スパイスそれぞれのフレーバーがしっかり出るようにひとつずつ別々に蒸留。そのあとでブレンドします。添加物、糖類、抽出物は一切加えていません。

 

風味ではレモングラスに代表される柑橘が強く主張してきて、東洋ボタニカルのエキゾチックな香りとスパイスをほのかに感じます。フルーティーなジンのなかでも酸味の強いタイプが好きな方に好まれるタイプですね。

ボビーズジンはアルコール度数42度・700mlで、最安値(税込)は4,300円ほど。一般的な評価でも「トニックで割るだけでうまさ抜群。そのシトラスの強さからいろいろ試したくなるジンの一つ」となど、柑橘系強めの口コミがあります。

ジャコバス・アルフォンスさんのレシピとは

ボビーズジンが誕生するきっかけは、1950年代にさかのぼります。オランダに移住した、インドネシア生まれのジャコバス・アルフォンス氏。

 

彼はジュネヴァに馴染みのある故郷インドネシアのスパイスやハーブを加えて、オリジナルのレシピでジンを作りだしていました。家族や友人からの愛称は「Bobby(ボビー)」。

 

時は流れて2012年。ボビー氏の孫、セバスチャン氏が母親の家で古いボトルを発見。祖父ボビーのインドネシアレシピに感銘を受けた彼は、祖父が愛したジュネバジン発祥の地であるスキーダムを訪れることになります。

 

Lemongrass レモングラス
Lemongrass レモングラス

老舗蒸留所ハーマンヤンセン社とのコラボ

セバスチャン氏が向かったのは、老舗蒸留所ハーマンヤンセン社の七代目蒸留業者。ジェネバの伝統に、インドネシアの植物とスパイスをブレンドさせたドライジンづくりが始まります。

 

西洋と東洋の融合というコンセプトのもとに、1950年代に現地で考案されたレシピを元に現代のトレンドに沿ってアレンジ。ライ麦100%のグレーンスピリッツを東洋、西洋から厳選された8種類で蒸留するレシピが完成しました。

 

Schiedam スキーダムの風車
Schiedam スキーダムの風車

ジュネヴァで知られるオランダのスキーダム

スキーダムは世界最大の高さ33メートルの風車「デ・ニューウェ・パルムボーム(新しい椰子の木)」で有名です。

 

この地域の風車は18世紀から19世紀にかけて盛んだった、ジュネヴァの原料となる穀類を挽くのに使われてたんですね。

 

ジュネヴァは連続式蒸留機によるドライジンが登場する以前の、元祖と呼ばれるジンです。

 

ドライジンにくらべて大麦麦芽を多く入れるため麦芽香が強いのが特徴です。昔ながらの濃厚な風味とコクがあり、こちらを好んで飲まれる方も少なくありません。