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「ボビーズジン」オランダで蒸留する祖父のインドネシアレシピ

「ボビーズジン(Bobby's Schiedam Dry Gin)」はオランダのスキーダムにある家族経営の老舗蒸留所、ハーマンヤンセン社で生産されています。

 

スキーダムは世界最大の高さ33メートルの風車「デ・ニューウェ・パルムボーム(新しい椰子の木)」で有名です。

 

この地域の風車は18世紀から19世紀にかけて盛んだった、ジュネヴァの原料となる穀類を挽くのに使われていました。

 

Schiedam スキーダムの風車
Schiedam スキーダムの風車

 

ジュネヴァは連続式蒸留機によるドライ・ジンが登場する以前、ジンの元祖と呼ばれるジンです。

 

ドライ・ジンにくらべて大麦麦芽を多く入れるため麦芽香が強いのが特徴です。昔ながらの濃厚な風味とコクがあり、こちらを好んで飲まれる方も少なくありません。

 

「ボビーズジン(Bobby's Schiedam Dry Gin)」が誕生するきっかけは、1950年代にさかのぼります。オランダに移住した、インドネシア生まれのジャコバス・アルフォンスさん。

彼はジュネヴァに馴染みのある故郷インドネシアのスパイスやハーブを加えて、オリジナルのレシピでジンを作りだしていました。家族や友人からの愛称は「Bobby(ボビー)」。

 

時は流れて2012年。ボビーの孫、セバスチャンさんが母親の家で古いボトルを発見。祖父ボビーのインドネシアレシピに感銘を受けた彼は、ボビーが愛したジュネバジン発祥の地であるスキーダムを訪れることに。

 

セバスチャンさんが向かったのは、老舗蒸留所ハーマンヤンセン社の七代目蒸留業者。スキーダムで造られるジェネバの伝統に、インドネシアの植物とスパイスをブレンドさせたドライ・ジンの製造にとりかかります。

 

香辛料の国、インドネシアの料理
香辛料の国、インドネシアの料理

 

特徴として重視したのは、西洋と東洋の融合でした。ポットスティルでライ麦100%のグレーンスピリッツとともに蒸留されるのは西洋、東洋からの厳選された8種類。

 

ジュニパー、レモングラス、シナモン、クローヴ、コリアンダー、ローズヒップ、フェンネル、キュベブペッパー(Cubeb pepper)です。

 

キュベブペッパーはインドネシア原産のコショウ種で、ジャワ胡椒、ジャワペッパー、テール付きコショウ、クベバコショウとも呼ばれます。

 

Cubeb pepper キュベブペッパー
Cubeb pepper キュベブペッパー

 

テール付きと言われるようにしっぽのような突起物があるのが特徴で、インドネシア料理では粉状にせず、原形のまま香辛料に使われます。松やにのような刺激的な香りと軽い苦みがあります。

 

ボビーズジンはこれらのボタニカル、スパイスそれぞれのフレーバーがしっかり出るようにひとつずつ別々に蒸留。そのあとでブレンドします。添加物、糖類、抽出物は一切加えていません。

 

2014年に発売されたボビーズジンはイタリア・ミラノのアルマーニホテル、ブルガリホテルで愛飲されるようになり、2016年のワールドスピリッツアウォードで金賞を受賞しています。

 

indonesia インドネシア
indonesia インドネシア

 

シトラス系の爽やかな香りとエキゾチックな甘い香りのあとに、キュベブペッパーがほのかに主張してきます。