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「オランチア ジン」ブラックアダーのウイスキー蒸溜・熟成哲学

「オランチア ハンドクラフテッドジン(Aurantia Handcrafted Gin)」はボトラーズとしても有名なブラックアダー社(BLACKADDER)初のジンで、オランダのズイダム蒸留所で造られています。

 

ブラックアダーは1985年にロンドン南東部のロイヤル・タンブリッジウェルスで創業したマスター・オブ・モルト社(Master of malt)にはじまります。

 

ジョン・レイモンド氏とロビン・トゥチェク氏が創業したウイスキー専門のボトラーです。彼らは会社を立ち上げたあとに「ザ・モルトウイスキーファイル(The Malt Whisky File)」を刊行。

 

 

ボトラーとしての著者の感覚を活かして甘さ、ピート感など、独自の基準で点数が付けられたこの本はロングセラーとなっています。

 

そんな彼らが1995年に設立したのが、ブラックアダー・インターナショナル社(Blackadder International)。現在スコットランド、スウェーデンにオフィスがあります。

 

製品は創業当初からボトラーとしての哲学にあふれる「シングルカスク(樽から出したままの原酒)、氷点下フィルターを使わない(無冷却濾過)、無着色(カラメル着色をしない)」主義を貫いています。

ボトリング工程で失われる量は1%未満という、樽の中に極めて近い状態で提供しているため、全世界のウイスキー愛好家の熱い支持を受けています。

 

「オランチア ハンドクラフテッドジン(Aurantia Handcrafted Gin)」はブラックアダー初のジンで、ウイスキーと同じく冷却濾過しない蒸留法で仕込まれています。

 

無冷却濾過の解説をしましょう。樽で熟成したウイスキー原酒は、温度が低くなると溶け込んだ香味成分の一部が白濁して見える現象があります。これは約0~5度まで冷却してフィルターでろ過することで除去できます。

 

 

 

ウイスキーのラベルなどに通称ノンチル、「Non-chillfiltered(ノンチルフィルタード)」と書いてあるのが「冷却濾過をしていない」という意味です。

 

しかし、ブラックアダーではこれまで不純物とされてきた油分も、ジンやウイスキーの持つ味わい成分の要素であり、とりのぞくと全体的な味に影響してしまうと考えています。

 

そこで、冷却ろ過せずにオリ(沈殿物)もいっしょにボトリングしています。「オランチア」とはラテン語で柑橘類を意味する「Aurantium」が由来。

 

 

その名の通り、レモンやオレンジをたっぷりと使用した爽やかな味わいのクラフトジンです。