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「タンカレーNo.10ジン」新鮮ボタニカルを伝統のスチルで蒸留

「タンカレーNo.10 ジン(Tanqueray No.10)」はイギリスに本拠地を置くタンカレー・ゴードン社によるプレミアムジンです。

 

ジンが好きな人ならだれもが知るタンカレー。その歴史は1830年に創業されたロンドンのブルームスベリーの蒸留所にさかのぼります。

 

フランスから亡命したユグノー(huguenot)の孫であるチャールズ・タンカレーが設立した蒸留所です。

 

ユグノーとは16~18世紀フランスのカルバン派プロテスタント。1562年から1598年まで続いた宗教戦争(ユグノー戦争)で、プロテスタントはカトリック側からユグノーと呼ばれました。

 

迫害された人たちは列強各国、とくにイギリスに多くの人たちが亡命しました。牧師の家系だったチャールズ・タンカレーはその道を選ばず、ブルームズベリー蒸留所でジン造りの実験をくりかえします。

 

その結果、理想のジンを精製するために、4段階の蒸留を行うというタンカレー独自の手法を編み出しました。

ちなみに、スペインのウィリアムハンバート社が製造するプレミアムジン「ボタニックウルトラプレミアムジン(Botanic Ultra Premium Gin)」も4回蒸留スタイルです。

 

「タンカレーNo.10 ジン(Tanqueray No.10)」は3度の蒸留でスピリッツの純度を上げ、最後の蒸留でボタニカルの香り付けをします。

 

ボタニカルはジュニパー・ベリー、コリアンダー、アンゼリカの3つを中心に、20種類以上の素材が使われていますが、この製法や配合のレシピは世界で6人しか知らないとされています。

 

 

洗練されたすっきりとした味わいと豊かで個性的な香りは「ジンのロールス・ロイス」と称賛され、アメリカ大統領ジョン・F・ケネディやフランク・シナトラが愛したジンとして知られています。

 

特徴的な緑色のボトルデザインは1951年に採用されたもので、18世紀のロンドンの消火栓がモチーフです。ボトルの赤い封蝋には品質保証の自信が込められています。

 

1960年代、400Lしか入らないスワンネックの小型単式タイプのオリジナル蒸留器「タイニーテン(Tiny Ten)」がハンドメイドされました。10は蒸留所の誕生から10番目に製造されたという意味です。

 

 

のちの第二次世界大戦ではタンカレーも大きな被害を受けます。1941年、ドイツ空軍によって蒸留所は爆撃され、蒸留器はただ一基を除いて破壊されました。

 

その残された一基というのが「タイニーテン(Tiny Ten)」。「タンカレーNo.10ジン(Tanqueray No.10)」はいまでも「オールド・トム」の名で愛されるタイニーテンでつくられているプレミアムジンなんですね。

 

ボタニカルには18ヶ月間、麻袋で熟成させたトスカーナ産ジュニパーベリーを乾燥品ではなく生で使用。

 

Juniper berry ジュニパーベリー
Juniper berry ジュニパーベリー

 

フロリダ産オレンジ、フロリダ産グレープフルーツ、メキシコ産ライムなど生のフルーツも使い、風味を損なわないように少量ずつ製造しています。

 

1898年、タンカレー社は同業のゴードン社と合併し、タンカレー・ゴードン社となりました。これを機に、ブルームズベリーから拠点を移転しました。